あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 



ほんとは来週書くつもりだったんですが、先日書いた「けいおん!」の記事の中のgif画像(うん・たん♪うん・たん♪のやつ)がチラチラ動いて落ち着かないので、下げるために予定を早めて更新です(笑


旧ユーゴスラヴィアのグループのCDは、あんまり日本に入ってこないのでリイシュー状況が良くわかりませんでしたが、最近検索のための取っ掛かりをつかんだのでこれから何とか入手できたらなと思っています。

で、今回のGrupa 220、60年代に旧ユーゴでアルバムをリリースした唯一のグループだそうです。
66年にDrago Mlinarec(G.Vo)を中心に結成されて、67年にデビュー。
当時、旧ユーゴでは最も実力・人気共にあるグループだったようです。

Grupa 220は、少なくとも2枚のLP・3枚のEP(1枚はオムニバス)・3枚のシングルをリリースしていますが、71年にDragoが脱退してソロ活動を始めるまでの第1期(ビート/サイケ)と、それ以後の第2期(ハード)に分けられます。
言うまでもありませんが、ここで取り上げるのは第1期の方です。

彼らの魅力は、Dragoを中心としたメンバーのオリジナル曲による独特の素朴なポップさと、シャープでもファズっているわけでもありませんが素朴な中にも妙に躍動感のある演奏で、非常に東欧的な格別な味わいがあります。
例えてみれば、ByrdsにGerry&PacemakersとSwingin' Blue Jeansを混ぜ合わせたような感じでしょうか?
同時代のユーゴのグループの中でも、ひときわ独特な空気を持ったグループであることには違いありません。

なお、かれらはMarmelade・Status Quo・Mango Jerryの68年ユーゴ公演の前座を務めたそうです。
しかし、予想以上に英米のグループが当時の東欧へのツアーに出向いていますね。
結構びっくりです。


今回紹介するのは、彼らの68年にリリースされた1stアルバムです。

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Naši dani (クロアチア Croatia Records CD D 5387589) `00

00年にリイシューされていたみたいですが、つい最近まで知りませんでした。
前から気になっていたアルバムだったのですが、検索してもあんまり芳しい結果が出なかったのですが、実はわりとしっかりとリイシューされているみたいです。
購入したお店によると、日本にはほとんど入荷されていないのではと言うことでした。
予想以上に音質も良くて、マスターが現存していてきちんとリマスターされているみたいです。
残念ながら、もうほぼ10年近く前のCDなので、入手はかなり厳しいと思います。
が現在、同じレーベルから「Drago Mlinarec & Grupa 220 Ultimate Collection」という2CDがリリースされていて、Disc1が丸ごと第1期220音源で、アルバム&シングルがほぼコンプリート(1曲未収録)なのでおすすめです。
ただ、日本にうまく入荷できるかどうかは微妙です(汗
僕自身馴染みのレコ屋さんにとりあえず注文してみましたが、入荷するかなあ・・・。

歌詞がさっぱり分からないので厳密には分かりませんが、同タイトルのテーマ曲を最初と最後に配したトータルアルバム的な体裁になっています。
ユーゴでも当時こういう体裁を意識したアルバムが出ていたと言う事実には驚かされますね。
単にかつては情報が入ってこなかったと言うことなんでしょうね。

メロウなオルガンが響き渡るテーマ?の1から一転して、彼らならではの素朴なまったりビートが心地よい2、スペイン語圏のグループのようなグルーヴ感の陽気な3、さり気にワウを使用している、とつとつと歌われる4、これまたワウを使用したゆるゆるのイントロからキャッチーに展開していく楽しい5、フルートの響きとブルースっぽい曲調のせいかTraffic的な6、うっすらとカントリー的な感覚がある7、最初山本リンダのカバーかと思ってしまった(笑)、彼らにしては扇情的な8、Beatlesの「恋する2人」をディランが歌ったような9、これまたスパニッシュ・ビート的なリズムと歌いっぷりの10、アコギの響きとワウギターとオルガンの重なりが染み渡る11、このアルバム中で最も東欧らしい翳りのあるバラード12、そしてテーマ曲の短いリプライズ13・・・と、きわめて目立つ曲がない代わりに駄曲が全くない、じっくり味わいの増して行きそうな一枚です。

最近かなりヘヴィローテ中です。

クロアチア語の独特の語感の歌いまわしや響きのせいか、スペイン語圏のグループにちょっと近い印象があります。
ただ、全体にたたずむ翳りのようなものは、やはり東欧ならではのものです。

東欧ものでは間違いなくベスト5に入るグループです。

ちなみに、その筋のネットショップなどでも割りと見かける75年にリリースされた2nd「Slike」は、1stから7年も経過している上にDragoをはじめオリジナルメンバーが全くおらず、1stのような素朴なビート感はないようですのでご注意を。
こっちはハードロックが好きな方向けです。

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うまい具合にこれが届いたら、また紹介したいと思います。



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おおおっ、3日連続更新(笑
先週まで過酷な勤務で体中が痛かったのですが、ようやく安定してきたので妙に勢いがあります(笑


今回はポーランドのPolanieです。
このグループは件のガレージ赤本に紹介されていますので、わりと知られていると思います。

どうです?このモノクロが似合うルックス!
個人的にイメージする、まさに「東欧的」な垢抜けなさ(笑
最初買うのに悩んだくらいです(笑

ところがどっこい、彼らは僕が知りうる東欧のビートグループの中でも屈指の演奏能力で、思わず舌を巻いてしまいました。
65年にAnimalsのポーランド公演で前座を勤めたそうですが、アニマルズもさぞかし舌を巻いたことでしょう(笑

ギター・ベース・キーボード・ドラムス・サックスという編成、そしてその演奏から判断すると、彼らはジャズ上がり・・・イギリスで言うところの「ブレイン・ドレイン」のようです。
彼らの手がけたオリジナル曲のできばえもかなりのもので、へたなUKUSものよりもかっこいいです。


Polanieは数枚のシングル(EP?)と、67年に唯一のアルバムをリリースしています。


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Polanie (ポーランドUniversal 067 536-2) ‘03

このCDは、その67年のアルバム(1~12)に、ラジオ・セッションなどのボーナスをつけたリマスター盤です。
初っ端の1から、バリバリのファズ・ギター(もしかしたらアンプのせい?)とドカドカドラムで突っ走ってくれます。
このドラマーの畳み掛けるようなプレイはかなりのもので、個人的には「いい音」で叩く人だなと感じました。
5も突っ走り系の「フリーク・R&B・ジャズっぽい」サウンドで、1と共にお気に入りです。
2~4のような、スマートでグルーヴィーなプレイも、そのルックスからするとびっくりしてしまいます(笑
アナログではA面に当たる1~7のオリジナル曲(ポーランド語)はどれも出来がいいです。

が、B面の8~12のカバーは、あからさまに不慣れな英語がすごい微妙で、そのせいもあってか演奏も今ひとつ精彩がありません。
8のAnimalsのカバーは彼ら向きの選曲で、かなりいいほうですね。
11もなかなかいいかな。
10(Kinks)・12(Lovin'Spoonful)はどう考えても選曲ミスだと思うなー(笑
A面のストロングなプレイはなんだったんだと思ってしまう、ずっこけまくりのゆるいできばえです(笑

以後はボートラです。
13・14はトラッドだそうですがどちらも抜群のできばえで、他のカバーをどれか外して入れればもっといいアルバムになったと思います。
16~はラジオ・セッションからだそうで、よく残ってたな&結構いい音質でびっくりです。
全曲オリジナルですが、16・17以外はインストだしどれも習作の域を出ていません。
20・21は彼ららしいプレイで、特にリズムが面白い21はこのセッションでのベストだと思います。


改めて聴きなおしてもやはり圧倒的な存在感で、チェコのOlympicと並んで東欧もので最初に手にとって欲しい1枚です。

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おお、2日連続更新(笑
気力のある時とない時の差が極端な男ですから(笑

今回はチェコのソウル系グループ、Framus Fiveです。
ジャケのお方がリーダーでボーカルのMichal Prokop、何かSpencer Davisみたいなルックスですね(笑

あまり詳しいデータがない・・・というかチェコ語が読めないと言うのが本音です(笑
彼らは60年代前半には活動を始めているようで、1stアルバムをリリースした69年にはホーンセクションも含めたメンバー総勢7人という、当時としては珍しい大所帯だったようです。
グループ名より2人多いな(笑

音楽性は、Manfred MannやSpencer Davis Groupなどのスローなブルースやジャズの面を切り取ったような感じで、69年と言う時期を考えるとあまりにも旧態然としたものです。
ブルースやジャズ、そして本物のソウルを好む人以外には、ちょっと退屈な内容かもしれません。
Michalのボーカルはソウルフルでなかなかいいのですが、全体的にストレートにやりすぎかなー。
ビート/サイケ派の方にはちょっとお薦めしづらい面があります。

70年代以降はプログレに向かうみたいですが、まだ未聴です。
むしろ70年代以後の方が期待できるかもしれません(笑


彼らの60年代の音源をまとめたのがこのCDです。

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Blues In Soul +9Bonus (チェコBonton 71 0321-2) ‘95


上の画像の曲目どおりのベタなタイトルの1stアルバムに、ボーナスを追加したものです。
Michal作のインスト5以外は全てブルース/ソウルのカバーで、ホーンとピアノが前面に出て、リズムセクションが聴きづらいビート感の薄いサウンドで、大体ハズレのない名曲12や17も、スローで妙に重ったるいです。
もうちょっと非ソウル・ブルース的な感覚を出しても良かったんじゃないかと思いますね。
60年代末という、変化の激しい面白い時期だったわけですしね。


どうでもいいことですが、上の画像のメンバー、座ってる連中の目つきが悪すぎる(笑
一人気合の入った80年代のヤンキーがいます(笑

しかし、このグループに限ったことではありませんが、チェコのグループのファッション、一般的な東欧のイメージと違って、西欧諸国の感覚に近くてなかなかスマートな印象です。

時期的にもプラハの春まっさかりですし、短いながらもいい時代だったのかもしれませんね。


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10.6.2:ちょっと追記


いつもながらの久々更新です。
毎日のように見に来てくださっている数名の方、ごめんなさい。
そしてありがとうございます。

さて、久々にモエモエ・・・キュ~ン(笑)な東欧グループのブツが手に入りまし
た。
北欧ものが一段落しましたし、いいタイミングで東欧ものが色々手に入りそうで
すので、ここを充実させていけたらなと思っています。

今回はルーマニアのPhoenixです。
Phoenixというと、プログレ系としてその筋では知られているグループです。
活動開始は62年、ルーマニアの副都心ティミショアラでリーダーのNicolae Covaci(G.Vo)を中心に結成されたSfintii(Saints)が原点で、65年ごろからPhoenixと名乗るようになったようです。
数回のメンバーチェンジを経て68年に1stEP「Vremuri」を国営レーベルElectrecordからリリース。
68年当時のメンバーはNicolae・Florin (Moni) Bordeianu(Vo)・ Claudiu Rotariu・Kamocsa (Kamo) Béla(B)・Günther (Spitzly) Reininger(Key)・Dorel Vintilă Zaharia(Ds)の5人編成。
「Vremuri」レコーディング時、Dorelが兵役に出ていたため、MondialのドラマーFlorin Dumitruがヘルプで参加しています。
ダークなプログレで知られる彼らですが、この頃は割りと素朴なビート/サイケ系のサウンドでした。
UK/USを基本に考えると65~66年位の雰囲気でしょうか?
続けて69年、2ndEP「Floarea stîncilor」をリリース。
1stEPは4曲中2曲はカバーでしたが、今回は4曲全てメンバーのオリジナル曲で、サイケの要素を取り込んでおり、楽曲・演奏共に格段に成長しています。

また、彼らは69年に映画「Canarul şi viscolul」(The Canary and the Snowstorm)の主題歌として、68年の1stEPに収録されている「Canarul」が冒頭のシーンで流され、またそのシーンで彼ら自身も登場しています。
ちなみに、この映画バージョンの「Canarul」はEPバージョンと全くの別録音で、おそらく映画用に改めてレコーディングされたもののようです。

この後、いくつかのマテリアルをデモレコーディングしたようですが、1stアルバムをリリースしたのは72年で、70~72年の間での激しいメンバーチェンジの末、オリジナルメンバーはNicolae一人になってしまったことと、時代の変化のためもはや全くの別グループと言ってもいいくらい音楽性が変化しています。

その著しいスタイルの変化とメンバーチェンジのきっかけになったのが、70年のMoniの脱退でした。
70年のコンサートで、彼が当局の検閲に対する抗議のスピーチを行ったそうで、おそらく当局からの圧力がかかったのでしょう、彼はアメリカに亡命してしまいました。
そしてそれは、初期Phoenixの終焉を意味していました。

この事件によってPhoenixは当局からにらまれるようになり、その目をそらすためにNicu以外のメンバーを一新して、演奏スタイルもすっかり変えて活動していくことになりました。

さらにPhoenixのメンバーは、70年代後半にチャウシェスク流文化大革命の圧力から逃れるため、ルーマニアからドイツに亡命。
なんとツアーに来た西側のグループの機材のスピーカーキャビネットに隠れての出国だったそうで、当時の共産国からの出国がいかに大変だったかを物語っていますね。

70年以後の、「プログレ期」の活動に関しては他に詳しいところがあると思いますので、そちらを参照くださればと思います。


一般的に知られている70年代のPhoenixからすると、60年代の音源はかなり素朴な印象ですが、楽曲の完成度は高く、やはり当時の特別な空気を持ち合わせていて、60年代ビート/サイケファンにはたまらない魅力があります。


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    翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
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