あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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左上から時計回りに:Jan・Petr・Jiří・Pavel・Michal)


さて、ようやく完成にこじつけることができました。

Synkopy 61はプログレファンの方々にはわりと知られているグループですので、ここではあまり紹介されていないビート/サイケ時代の73年くらいまでについて書いていきたいと思います。


Synkopy 61はチェコとスロバキアの境目にある都市ブルノで、Petr Směja(G.Vo)を中心に60年に結成。
この風変わりなグループ名は、58年のヒッチコック映画「めまい」からと、結成した年を合わせたものだとか。
本当は「めまい」の原題は「Vertigo」で、「Syncope(Synkopy)(失神)」じゃないんですが、当時チェコスロバキアではそういうタイトルで紹介されたのかもしれません。
さらに、厳密には結成は60年だそうですが、なぜか「61」になったそうで(笑

63年くらいまでの写真を見ると、メンバーにアコーディオンやバイオリンがいたりするので、ごく初期は広義でのポップミュージックを演奏していたのではと思います。
ま、結成当時Petrが15歳ですから、スクールバンドだったのでしょうね。

64年のBeatlesショック後にビートグループ化してPetr・Pavel Pokorný(G.Vo.Key)・Jiří Rybář(Ds)・ Jan Čarvaš(B.Vo)の4人編成になり、66年4月にMichal Polák(Vo)が加入して、基本的なラインナップになりました。

どうでもいいことですが(またか)、JanはKinksのJohn Dalton、JiříはHolliesのTerry Sylvesterに似てませんか(笑


さて、ここまで読んで「あれ?彼は?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
今までSynkopy 61に関する記事で、Oldřich Veselýの名前が冒頭で出なかった事はなかったかもしれません(笑
さらに、ようつべなどで見ることのできる60年代のSynkopy 61の映像に、あれだけ名前の出るOldřichの姿がないことに気がついた方もいらっしゃると思います。
なのに楽曲のほとんどがOldřich作で、何だか混乱してしまいますよね。
OldřichがSynkopy 61の正式なメンバーになったのは実は74年で、60年代は Great Music Faktoryという楽曲製作工房?を主催しており、65年ごろからSynkopy 61に楽曲を提供していたというのが実情のようです。

Oldřichから楽曲の提供を受けるようになった頃から、グループの音楽性が固まってきたようで、ようつべで見れるクリップの如く、ほの暗い雪原を歩きながら歌っているようなか細さが彼らの持ち味です。
例えれば、HolliesやBeach Boysのハーモニーの曲を、パイ中期のKinksが演奏しているような感じでしょうか?
この繊細でか細いサウンドは唯一無比の個性で、Oldřichが中心に手がけた楽曲とのマッチングも良くて、何とも言えない味わいがあります。
また、そのか細さが結果的にサイケな空気もかもし出していたりします。

Michalが加入して間もない5月には、ポーランドの国際ミュージックフェスティバル「Gliwicki X」に出演。
このフェスにはOldřich Veselýもヘルプで参加しています。

10月、Pavel Pokornýが軍隊に召集されて一時脱退、Pavel Váně加入。

67年には件の「1st Czechoslovak Beat Festival」に出演、「ベスト・モラヴィア・グループ賞」を受賞。
ちなみにモラヴィアとはブルノを中心としたチェコ共和国東部地域の名称です。
それにしてもポップミュージックのフェスで、こういった地域や民族に配慮があるとは、当時のチェコスロバキアの地域・民族の問題を垣間見てしまいますね。

60年代中期から、さまざまなフェスやライヴをこなしている彼らですが、初のレコードは意外にも68年と遅かったりします。
彼らのデビューシングル「Válka je vůl 」(スプリット盤で片面は別アーティスト)は、すでに独特のほの暗くか細いサウンドが前面に出ています。

68年11月、Pavel Pokorný復帰。Pavel VáněはCollegium Musicumへ。
12月、2nd Czechoslovak Beat Festivalに出演。

69年以後は、メンバーのオリジナルを中心にリリースするようになり、Oldřichの提供曲の比率は下がっていきます。
Hollies・Beach BoysなどのカバーとOldřichの楽曲を咀嚼して、73年くらいまでの間のビート/サイケ期のSynkopy 61のサウンドが確立していったわけです。

プラハの春が潰えてフサークによる正常化政策の影響も乗り越えて、コンスタントに多くのシングルをリリースして行っています。

72年には待望の1stアルバム「Festival」(7曲入り10インチ)をPantonからリリース、そして74年のOldřich加入後は、プログレ化して行くことになります。

これ以後は僕の守備範囲外なので、75年くらいまでを軽く。

74年には2ndアルバム「Xantipa」をリリース。
Uriah Heepのカバー2曲を含むこのアルバムは、Oldřich Veselýの影響力が高まってシンフォニック&ハードな曲が占めており、ソフトな声質のMichal向きの楽曲がほとんどなく、グループのリードシンガーにもかかわらず、全7曲中1曲しか歌っていません。
また、翌75年リリースの3rd「Formule I.」でも彼は1曲しか歌っておらず、基本ボーカル専任のMichalにとって、この時期のツアーは出番が少なくて、フラストレーションを貯めていたのではないかと思われます。

一般的にはSynkopy 61の評価が高いのは74年以後のプログレ時代ですが、この時期の音楽性を支配しているのはOldřich Veselýで、グループ自体が本当にシンフォニックなサウンドをやりたかったのかは疑問があります。

M.Efektを経てOldřichが80年に復帰した後、Jiří Rybář以外のメンバー4人が次々に脱退していることも、それを示唆していると思います。

個人的には、Synkopy 61は素朴なビートポップグループだと思っています。




【“Synkopy 61 (Czecho-Slovakia)”の続きを読む】
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ずっと欲しかったのよ


新年第1弾はSynkopy61の予定だったんですが、予想以上に早く届いたので自慢気に見せびらかすことにしました(笑

この本は、07年にチェコで発売された「Beatová aristokracie z Prahy」というMatadorsをアーカイヴしたもので、日本ではとても得られないような細かいデータが満載の素晴らしい逸品です。

現在東欧萌え中の3人で1冊ずつオーダーして入手しました。

もちろん文章はチェコ語ですのでほとんど読めないのですが、ちらほら読める部分やほとんど見たことのない貴重な写真だけでも圧巻です。
まだそれほどじっくり見たわけではないのですが、初めて見た前身であるFontanasの演奏写真や、68年解散直前のViktor SodomaとJan "Farmer" Obermayer脱退後のラインナップの写真、さらにRadim先生も脱退後のラインナップで東ドイツに移住したこと、更にその後の活動など驚きの連続です。
これからじっくりと読んで(見て?)行きたい、非常に密度の高い本です。


さらに、この本の価値を高めているものを続きにて。


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  • Author: Graham
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    翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
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