あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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12.9.24:大幅に加筆修正


今回は、データ集めに苦慮したフィンランドのTopmostです。
これまた日本ではほとんど知られていないグループですが、本国ではJormasと並んで人気があったようで、アルバムも1枚残していますのでそれなりに人気のあったグループだったんだと思います。

Topmostは64年ごろから活動をスタートさせたようで、メンバーは上の画像左からEero Lupari(G.Vo)・Arto "Poku" Tarkkonen(Key)・Vasilij "Gugi" Kokljuschkin(Vo)・Harri Saksala(Vo.Sax)・Kristian "Kisu" Jernström(Ds.Vo)・Heimo "Holle" Holopainen(B.Vo)の6人編成で、Kisuは結成当時13歳だったそうで、この67年ごろの写真を見てもまだあどけないですね。

66年のデビューシングル「The In Crowd/Alone And Forsaken」や同時期の音源からすると、当初はR&B系のMod的な指向性だったようですが、67年にEMIに移籍後はレーベルからの要望もあったのかハーモニーを活かしたポップなサウンドになって行きます。
Mod+Beachboysという感じですが、ハーモニー系の曲はボーカルが結構雑で、もうちょっと何とかならなかったのかなと思います(笑
「Black Is Black」のフィン語カバーなどのR&B系の曲は結構いい感じなのですが…。

67年に唯一のアルバム(Parlophone Par-LP 303)を残して68年にPolydorに移籍、シングルを1枚リリースして解散しました。

Jormasにしてもそうですが、市場の狭いフィンランドのビート・グループは、どうにも器用貧乏な資質を要求されるみたいで、ヒット曲のカバーの比率が高いのでいまいち魅力に欠ける面がありますね。


Topmost自体についてはここまでですが、その後の活動とその音源がなかなか興味深いので、簡単ではありますが紹介しておこうと思います。

HarriはMartti "Edward" Vesala(Ds)・Seppo "Paroni" Paakkunainen(Sax Fl)の2人のジャズミュージシャンによって結成されたSoulsetに加入。
Soulsetはそのグループ名が表している通りのソウル&ジャズ系で、クールかつ暑苦しい(笑)グルーヴィーなサウンドが持ち味でした。
68~69年の短い活動期間でしたが、フィンランド60’sのグループとして外せない存在です。
余談ですが、グループ末期にはJormasのArto "Mamba" Koskinenも在籍していたようです。

Soulset解散後、SeppoはTopmostのもう1人のシンガーVasilij "Gugi"らとBlack Flag Of Utopiaを結成。
Soulsetよりもややサイケ・プログレ寄りの渋いサウンドで、これまた短期間の活動に終わってしまったのは非常に惜しいです。

この2つのグループの経過を見ると、Topmostがソウル・ジャズの方面で高く評価されていたことがよくわかりますね。

SoulsetとBlack Flag Of Utopiaは残された音源は少ないですが、この記事の主役であるTopmostよりも楽曲演奏ともに素晴らしいので、興味のある方はぜひ聴いてみてください。

HarriとMartti、そしてTopmost時代の同僚EeroとHeimoの4人で結成したのがApolloで、当時隆盛していたハードロックにほんのりサイケな要素が混ざった重いサウンドのグループでした。
個人的にはハードロック的な楽曲にはHarriのソウルフルで暑苦しいヴォーカルは不釣合いな印象で、もっとそっち寄りのサウンドを目指した方が良かったのではと思いますね。


なお、Topmostは本国で現在でもオリジナルメンバーで時々ライヴ活動を行っているようです。





Topmostは66~68年の間に6枚のシングルと1枚のアルバムを残しています。

The "In" Crowd / Alone And Forsaken RCA Victor FAS 956 ‘66
Näen Mustaa Vain(Black Is Black) / Eleanor Rigby 同 FAS 965
Hän Sinut Jättää(There Are Two Kinds Of Lovers) / Aivan Ehdoton(Candy Girl) Columbia MY 137 ‘67
Merisairaat Kasvot(A Whiter Shade Of Pale) / 8. Kesäkuuta(24 Sycamore)
 同MY 139
You Don't Know Like I Know Like I Know / Longing For June Star SW 1010 ‘68
Maailmain Tunsin Muuttuvan(World) / Meni Remonttiin(Mr.Lovin' Luggage Man) Polydor NH 59 505

Albums
Topmost Parlophone PAR-LP 303‘67
     Star SWLP 4 ‘68(同内容の再リリース)
You Don't Know Like I Know / The Girl From Nowhere* / Any Day Now / There's No Action At Stump Offices* / You Still Believe In Me / I Got Rhythm / Hold On, I'm Coming / Longing For June* / U.F.O.* / I Keep Forgetting / The End*

*…メンバーのオリジナル曲

他の北欧諸国も同じですが、フィンランドの音楽マーケットは非常に小さいものだったので、Topmostのレコードもかなり入手が難しいようです。

Topmostの音源がまとめて聴けるCDは、今のところこれしかありません。

a175.jpg

Collection (フィンランドWarner 8573-85791-2)`01

88年にKerberosというレーベルからリリースされた編集盤LPと同じ内容をリマスターしたもので、シングル・アルバムからの選曲と66年の未発表音源からなる全19曲です。
66年の未発表曲が7曲と、全19曲の中での比率が妙に高いわりにいまいちのネタで、シングル曲も網羅されていないし、ベスト盤にしたいのかレアリティーズにしたいのかよくわからない、非常に意味不明な編集です。
Warnerは世界的に見てもリイシューの仕方が安直なレーベルで、LP時代と同じ内容でリイシューしなくても良かろうにといつも思いますが、このTopmostなんかもあと11曲くらいしか未収録音源がないんだから、どうせならコンプリート2枚組にしてくれればいいのに…。

a176.jpg

時代順に紹介して行きます。

18&9がRCAからの66年の1stシングルで、重いオルガンを活かしたシブくてかっこいいModなサウンドで、彼らが一番やりたかったことが良く分かりますね。
特にB面の9がダークでシブくていいですね。
2が出世作となった2ndシングルで「Black Is Black」のカバー。
ぶっちゃけ、この曲自体がクドいのであんまり好きじゃないので何とも言えません(笑
個人的にはB面の「Eleanor Rigby」のフィン語カバーの方が出来がいいかなと思います。

3・4・6・7・13・15・16が66年の未発表スタジオ&ライヴ音源で、資料的価値は高いとは思いますが、どれもストレートなカバーで演奏も音質もいまいちの内容で、これだったら公式音源の比率を上げて欲しかったな~(汗
ま、それでも13・16は彼らの資質によく合った曲で、なかなかいいと思います。

8は67年のEMI移籍後のシングルのB面で、その曲名のとおり超どポップな曲で、彼らにはあまりにも似合わない甘口のハイトーン・ハーモニーはけっこうきついですね(笑
1が今度はColumbiaに移籍後のシングル(元の英題「Two Kinds Of Lovers」)で、これもポップなハーモニーの曲ですが、8よりは遥かにいいと思います。
11が次のシングルで、「A Whiter Shade Of Pale」のフィン語カバー。
フィン語とのマッチングも割りとよく、全体的には悪くはないんですが、オルガンのフレージングがいまいちで、オリジナルのあの甘いフレージングとは比べ物にならないのが残念なところです。

5・10・14・17・19が唯一のアルバムからで、オリジナルとカバーが混在しています。
リリース年のわりにはサイケ度は低いです。
オリジナルはグルーヴィーなインスト5、ちょっとロキシーのようなキッチュさのあるタイトルどおりの変な曲10、オリジナルの中では一番完成度の高いメランコリックなメロディーが美しい14で、残されたオリジナルは少ないもののなかなかの楽曲で、もうちょっとオリジナルが聴きたかったですね。
カバーの17は、初期の彼らを髣髴とさせる熱いR&Bで、やはり彼らはこういう曲が様になるみたいですね。
Beachboysの「Pet Sounds」からのカバー19は、少しアレンジを変えていますが基本的にはストレートなカバーです。
彼らファルセットでのハーモニーはあんまり得意じゃないみたいで、この曲なんかはちょっと無理があったんじゃないかと思います。
滑らかに歌われるBeachboysのバージョンに比べると、息継ぎが多くてちょっと興ざめてしまう…とオリジナルと比べるのは酷かな~(笑

で、12が68年のPolydor移籍後のラストシングル(英題「Mr. Lovin Luggage Man」)で、スウェーデンのJackpotsみたいなアレンジがなかなかいいです。
しかし、フィンランド人はレス・リードの曲が好きよね(笑

とまあ、こんな感じです。
現在では廃盤で、入手はかなり難しいし、内容からするとあっても割高です。
個人的には次のリイシューを待った方がいいかなと思います。

あと、比較的入手しやすい以下のオムニバスを2つ紹介しておきます。

1)Psychedelic Phinland: Finnish Hippie & Underground Music 1967-1974(フィンランドLove LXCD 651)(2CD) The End収録
2)Hei Vaan My Only One - Westerlund & EMI Years Part One (フィンランドEMI 0946 390033 2 7)(2CD)‘07 The Girl From Nowhere・8. Kesäkuuta &14収録

1)収録の「The End」は、全編にわたってただ騒ぎ続けているだけの曲とは言いがたい代物で、Topmostはこれしか収録されていませんし、どちらかと言えば70年代よりの内容ですので、60年代マニアにはお薦めできません。
2)は、シュールなサイケポップ「The Girl From Nowhere」を聴くことができるし、他にもなかなかまとめて聴くことの出来ないグループの音源が収録されていますので、Topmostがハズレでも損は無いと思います(笑


ついでにSoulsetとBlack Flag Of Utopiaについても。

Soulset:Singles
Ahdistus / Nyt On Tie Sulle Avoin Sonet T 6519 ‘68
Laulain Työsi Tee(All Together Now) / Saat Kaiken Muuttumaan(Pioggia Di Settembre) Parlophone PAR 992 ‘69
Sauna-Soul / Brown And Hard 同PAR 993

Albums
SoulJumppaa Gross GRLP-27 ‘69
Soulset/Edward Vesala Jazz Band:Nykysuomalaista/Contemporary Finnish
 Finnlevy SFLP 9501 ‘69

オムニバス収録のみ
The Dish

Soulsetはどの曲もかっこいいのですが、クールな「Nyt On Tie Sulle Avoin」や暑苦しい「Ahdistus」「Brown And Hard」、ドライブ感のあるインスト「Sauna-Soul」が完成度が高いと思います。
アルバムは現状では未聴ですが、収録曲の「Five Days Later」は「Brown And Hard」を再録音してタイトルを変えたもののようです。
このうち、「Laulain Työsi Tee」「Saat Kaiken Muuttumaan」「Sauna-Soul」「Brown And Hard」の3曲が、先に紹介した「Hei Vaan My Only One Part One」に収録されています。

あと、以下のオムニバスにも1曲ずつ収録されています。
他にも「Five Days Later」が収録されたオムニバスがありますが、随分前に廃盤になっていて入手がかなり難しいので割愛します。

Jee Jee Jee- Suomi-Rockin Arkistoaarteita(フィンランドSiboney SIBCD 10)‘98 Memphis Soul Song(Soulset)・Makea Sandra(Pecca Streng & Soulset)収録
Love Proge 2(同Love/Siboney LXCD 621A) ‘98 The Dish収録

ちなみに、「Jee Jee Jee」は65~72年のラジオセッションを14曲収録したCDで、なかなかに興味深い内容です。


Black Flag Of Utopia:Singles
Anne / Sister Jo  Parlophone 5E006-34057 ‘69
King Of The Road  James(No Number)(片面シングル)*Utopia名義 ‘70

Black Flan Of Utopiaは3曲しか音源がないのですが、どれも素晴らしいできばえです。
フルートの音色を生かしたクールなサウンドの「Anne / Sister Jo」はまたもや登場の「Hei Vaan My Only One Part One」に両曲ともに収録されており、このオムニバスCDがいかにツボを押さえた素晴らしい編集であるかが良くわかりますね。

u_hei_vain_my_only_one_.jpg


Utopia名義での「King Of The Road」は、James Jeansのプロモーション用に配布された片面シングルだそうで、ハモンドをフューチャーにしたグルーヴィーなインストで、権利関係が複雑なのか現状では未CD化です。

Soulsetのアルバムや未CD化曲とともに、何とかCD化して欲しいところですね。


Apolloは個人的に守備範囲外のサウンドなので割愛させていただきます。



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