あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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ドカーンッ!
2nd Beat Music Festival in1968

ここしばらく音楽の記事が減ってしまっていますので、今回は久しぶりに濃いやつをやります。

チェコスロバキアのプラハの春時代、そしてフラワームーヴメントのあだ花、そしてその後有名になるPlastic People of the Universeへと繋がっていく幻のグループPrimitives Groupを紹介したいと思います。

66年にプラハで結成。
当初はPrimitivと名乗っていたようです。
メンバーはIvan Hajniš (Vo)・Sinners出身のJosef Janíček (G)・Komety出身のIvan Pešl (B)、Ctibor Kodlec (Key)・Ludwig Šima(Ds)の5人で、のちにドラムがJaroslav“Erno”Sedivý (Ds)が加入。


Primitives Group 1967

しかし67年の終わりごろからFlamengoのステージに参加することが多くなったJaroslavが、さらにIvan Pešlが脱退、68年にはPavel Pešta(B)Tolja Kohout(Ds)が加入しています。
基本的にIvan Hajniš・Josef・Ctiborの3人で、後のメンバーは流動的だったんでしょうね。

また、当時の写真にはもう一人ギタリストが写っているのですが詳細不明です。

67年ごろから、当時のフラワームヴメントの影響を受けたサイケデリックなスタイルになったようで、ど派手な衣装やマスクにボディペインティング、そしてカラフルなライトとあちこちにかがり火を配したステージで演奏するようになりました。

a226.jpg
左:Josef Janíček 右:Ivan Hajniš

同じころからDoors・Mothers・Fugs・Greatful Dead、そしてジミヘンなどの楽曲をレパートリーに取り入れています。
現代の耳で聞くと演奏自体はそれほどサイケデリックの極地とまでは言えませんが、当時のチープな機材の影響もあってか、何だか強烈なアンダーグラウンド臭があります。
ボディペインティングやかがり火のステージなどの視覚効果と演奏のミックスが彼らの個性だったようで、当時彼らのステージを「経験」した人々に強烈な印象を残しています。

判明したものだけですが、具体的には以下のような楽曲を演奏していたようです。

Doors:Light My Fire / Soul Kitchen / Alabama Song (Whisky Bar)
Mothers:Lonely Little Girl / Let's Make The Water Turn Black
Greatful Dead:Could Rain And Snow
E.Burdon & Animals:Anything

彼らはオリジナル曲は残していないようですが、それはレコーディングの機会を得られなかったことが関連しているようです。
彼らの活動のピークであった68年は政治的に非常に微妙な節目だったので、ステージはまだしもレコーディングを許可するには危険な存在と、当局から見なされてしまったようです。


燃えすぎにもほどがあります(笑

これは背後のカーテンの色からすると、おそらく67年の1st Beat Music Festivalでのステージの画像だと思われますが、ステージに何個も設置されているかがり火の燃え方がハンパではなく、まだかろうじて規制が弱かった時代とは言え、よく当局がOKしたなと思います。

さらに翌年の2nd Beat Music Festivalでも、同様の激しい炎と煙に囲まれたステージを行っています。





また、彼らはプラハのMusic Clue FというクラブでFish Feast(68年)・Bird Feast(69年)などの独自のライブイベントをやっています。

a228.jpg

Fish Feastは会場の天井に大きな漁網を張り、例の衣装やメイクのメンバーが、例のかがり火のセットのステージから客席に向けて水や魚をぶちまけ、逆に客席からも水をステージにぶちまけるというアナーキーなものだったようで、水でぐしゃぐしゃになった会場の後始末が大変だったんじゃないかと思ってしまいます(笑
それでも懲りずに69年のBird Feastでも会場を貸しており、今度は鳥の羽毛で天井・壁を覆い、客席もひざが埋まるほど羽毛を敷きつめた状態だったそうで、Fish~の時よりは楽だったでしょうが、やはり後始末が大変だったかと思われます(笑
加えて、Bird~ではボーカルのIvanが裸でステージに登場したそうで(笑

メンバーによると、「地水火風」の四大元素をステージに取り入れて演奏する事を考えていたそうで、この2つのフェスはその試みの一環だったんでしょうね。
また、彼らにはEugen“Toscani”Fiala(アート・ディレクター)Vladimír“Hendrix”Smetana(技術・効果技師)の2人のスタッフのがいて、メンバーと共にこの時期のステージの演出を練り上げていたそうです。
さらに、当時結成されたばかりのPlastic People Of The Universeのマネージャー/アート・ディレクターだったIvan Jirousも彼らに関わっており、このことが解散後のJosef JaníčekのP.P.U加入につながって行ったようです。

69年春、「プラハの春」の推進者であったA.ドプチェクが退陣に追い込まれ、G.フサークが第一書記になったのち、当時の共産圏のグループとしては大胆な活動を行っていた彼らは、正常化政策の影響をもろに受けてしまい、ボーカルのIvan Hajnišがスウェーデンに亡命したのをきっかけに解散、そして先に述べたようにJosefはP.P.Uに加入して、またもや苦難の時期を迎えることになります。

スタジオ録音のない彼らの音源で公式に残されているのは、67年&68年の1st&2nd Beat Music Festivalでの映像&音源のマスター、そしていくつかのプライベート録音が残されているのみで、それらのマテリアルは現在までレコード・CDなどでリリースされておらず、本国でも名前は知られているが音源を聴くことの出来ない「幻のグループ」として語り草になっています。

Supraphonが所有しているBeat music FestivalのマスターのCD化、そしてその他のライヴ音源が残されていることとそのCD化を願いたいところです。

共産時代は当局によってはリリースをはばかられていたのかも知れませんが、民主化してかなりの時間が経過した今、そろそろ「伝説」を公開していいのではと思います。


(追記)
とか言ってたら、2曲だけですが本当に初CD化されました。

a320.jpg

Bigbít /Vojtěch Lindaur編著 (チェコPlus)‘10

これはチェコで95年からシリーズで放送されたチェコスロバキアのロックのヒストリー番組「Bigbít 1956-1989」の副読本のようなもので、98年に第1版が発売されて、なぜか12年も経過してオマケに全て未発表音源のCDを2枚つけた改訂版が発売されました。
このオマケのCDのDisc1に「Fish Feast」のイントロデュースと「Soul Kitchen」「Anything」がめでたく収録されました。
両曲とも68年のFish Feastでのプライベート録音のようで、音質は今ひとつですが当時のアンダーグラウンドな空気を感じることができます。

次は、ぜひ単独でのリイシューを期待したいところです。



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コメント

ウッキャッキャ~♪ つ、つ、ついにこの日本国でも、彼らのベールが剥がされる日が来ようとは~! いや、ベール以上、衣服といった方がいいくらいの濃ゆ~い記事、大大大快挙ですね~!
ここまで情報収集されるのは、相当大変だったことと思います。私の中では、Grahamさんの業績は、「今年の10人」に選ばれてしかるべきだと確信してます(笑)。

「エロ気」こそが、体感型ロックの最重要要素だと私は思ってるのですが、アングラ度においてはPPUの方があるにしても、そっち系でははるかに上いってますね~。
特にドアーズのカヴァーなんかでは、ジム・モリソンとはまた別ベクトルの誘惑感があって、思わず勝負下着に着替えちゃいそうになります(笑)。
アーサー茶クンも真っ青のやり過ぎステージにもシビレますね~。記念にお魚持ち帰って食べたかったなぁ~。
メンバーのルックスもしまりがあってよろしいかと。

とにかく、いろんな点でかな~り気に入っちゃいましたぁ~♪
あとはSupraphonに(数名の?)署名送って、プチ圧力かけるしかないですね(笑)。

  • 2010/11/14(日) 14:01:32 |
  • URL |
  • クロム #ybSqUg1.
  • [編集]

クロムさん、こんにちわー♪
最新の記事の通り、右腕の痛みがひどくてコメ遅れてすみません。

このPrimitivesのデータを拾ったときは本当に盛り上がりました。
こういう情報が全く見つからなかったグループの記事を書くのは、本当に楽しいです。

画像からも感じますが、当時のチェコで最もいかがわしいグループだったんでしょうね(笑
そのせいで当局からレコーディングのOKが出なかったのは本当に残念です。

Supraphon、音源をまとめてくれんかなー。

  • 2010/11/22(月) 16:44:41 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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  • Author: Graham
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