あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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まだ初々しいです

68年ラインナップ:(左からMoshe・Danny・David・Haim・Shuki)


1.22:71年以後のラインナップや楽曲について加筆訂正


さて、今年も何だかS.F.スロウな更新ペースを予感させてしまいますが、密かに気合は入っております。
クロムさんっぽいネタを使ってしまったイヤ~ン(笑

今回はイスラエルのLions Of Judahを取り上げます。

Lions Of Judahは、Churchill's・(Uzi&)Stylesとともにイスラエル60'sの3大グループの一つなのですが、他の2グループに比べると情報も少なく、日本ではほとんど知られていないんじゃないかと思います。
実際、ネットで検索してもなかなかこれという情報がなく、母国語がヘブライ語なのもあってまとめるのに苦労しました。
じつは足掛け1年以上調べ続けているのですが、その目まぐるしいメンバーチェンジを追いかけるのは大変でした。
それでも、ようやくある程度の情報を得ることができたので、何とかまとめることができました。


Lions Of Judahはヘブライ語(アルファベット表記)では「Ha'arayot(Lions)」で、「Judah」だったり「Juda」だったりします。
本国では、もっぱら単にLionsと呼ばれることが多かったようです。

66年、Haim “Chaymon”& Shuki Algranati兄弟(ともにG.Vo)とMoshe Boyanjo(Ds)によってテルアビブで結成。
74年の解散までこの3人は固定メンバーでしたが、それ以外のメンバーはかなり流動的でした。
そして、のちにマルチプロデューサーとして成功し、現在ではアメリカの大富豪の1人になっているHaim SabanがAlgranati兄弟の要請によってマネージメントを受け持つことになりました。
また、彼はレコードデビュー前まで、ベーシストとしてステージに立っていたようです。
68年、RCA-VictorからデビューEPをリリースした段階のメンバーは、Algranati兄弟とMoshe、そしてDanny Shushan(Vo.B)・David Ifrach(G.Vo)の5人で、なぜかギターが3人もいるヘンな編成でした。
1stEPリリース後、Davidが脱退。
彼らの宿命と言える目まぐるしいメンバーチェンジはしょっぱなから炸裂していくわけです。
そして、同時期にイスラエル公演の真っ只中で解散してしまった、イギリスのTornadosのDave Watts(Key)を迎えた新ラインナップになりました。
Churchill'sにはギターのRob Huxleyが加入しているし、イスラエルのミュージックシーンへのTornadosの貢献ぶりはすごいな(笑
あと、このTornadosといい、Stylesにメンバーが加入したRevolverといい、イスラエルには公演に来たイギリスのグループを空中分解させる何かがあるのか(爆笑

イギリスのグループ出身のDaveが加入したことがきっかけで、彼らはイギリスに出向くことになり、ロンドンでいくつかのライヴをこなし、かのTV番組「Color Me Pop」にも出演。
そしてHoward-BlaikleyとHaim Algranatiが共作した「Our love's a growing thing」と、本国ですでに書き上げていた「Katza」をFontanaでレコーディング、のちにシングルとしてリリースされ母国イスラエルでは大ヒット、イギリス・フランス・スペインなどでもリリースされ、ヨーロッパ圏で知られるようになりました。
この時期が彼らの活動のピークだったと言えます。
このシングルのヒットのおかげで、イスラエルに帰国後は安定した人気を誇ることになりました。
本国でのコカコーラの宣伝ポスターで、動物園(?)のライオンの小屋をバックに、コーラを持ってポーズしているものが残されていることからも、彼らの人気振りがうかがえます。
また、3大グループの中で最も活動期間が長かったことも、安定した人気に影響したのかもしれません。

しかし、安定した人気に反してメンバーは安定せず、69年、Churchill'sに加入するためDannyが脱退、さらにDaveも脱退してイギリスに帰国してしまいます。
そしてMoshe Lev-Har(B)が加入、さらに70年、前年にデンマークのRed Squaresのメンバーとしてイスラエル公演に来たノルウェー人ボーカリストJahn Teigenが加入した新ラインナップになりました。

しかし、これまた長く続かず、翌71年にはMoshe Lev-HarとJahn Teigenが脱退、交代にIlan Dadman(B)が加入、Haimがボーカルに専念することになりました。
以後、ようやく安定したようで、74年の解散までこのラインナップで活動して行きました。

Lions Of Judahは、Beach Boys風ハーモニーポップにブルースロック中近東風味にハードロック、はたまたレゲエ風と曲によってスタイルがコロコロ変わるので、音楽性を表現するのが非常に難しいグループです。
メンバーチェンジの影響か、それとも気の向くままにやってみたい事をやっていただけなのかは不明ですが、それにしてもよくこう玉虫色になったものだと感心するやらあきれるやら(笑
あと、これはイスラエルのグループ全般に言えることですが、パレスチナという土地柄の影響か、アラブ音楽の影響を強く感じさせるのが興味深いです。
現在も、アラブ諸国とは相変わらず対立関係にあるイスラエルですが、その土地の歴史の重みはそう簡単に切り離すことはできなかったんでしょうね。

ま、言ってみれば、メンバーと音楽性とレーベルをコロコロ変えるのが彼らのスタイルでしょうか(笑

彼らは本国で5枚のシングルと2枚のEPをリリースしています。

Mama / Zikhronot [Memories] / Ani Meshuga Letaltalayich [Crazy About You] /
Shuvi Na Elay [Come Back My Love] (イスラエルRCA-Victor ISC-0013)EP `68
Our Love's A Glowing Thing /Katza (Phonodor 72007) `69
Mary Cries Help / Bring Our Love Back Home / At Lo Tova [You're Not Good] /
Phantom Adom [Red Phantom] (Phonodor 74035)EP `70
I've Got Starshine,Ive Got Luck / Where I Belong (Phonodor 72020) `71
Made Me Cry / Give Me (CBS 1150?) `72
Nolad Gaon [A Genious Is Born] / Wheels Of Love (CBS 1320) `73 *1
Satan What You Want From Me / Aphrodita (Koliphone3838) `74 *2

*1:Haim Algranati And The Lions名義
*2:El-Grant And The Lions名義

また、彼らは映画のサントラに以下の3曲を提供しています。

Soundtracks / Queen Of The Road (Isradisc SI 31020)LP `71
Lions Of Judahの収録曲
Far Away / A Day in the City / I've Seen You Around

残念なことに、イスラエル60’sの3大グループのうち、彼らだけが唯一オリジナルアルバムを制作していません。
活動期間が最も長かったものの、4つのレーベルを渡り歩いていることが影響しているのかもしれません。
Hed Arziと契約していれば可能性もあったかもしれませんが…。



Lions Of Judahの楽曲が聴けるCDは、今のところこれしかありません。

すっかりうさんくさくなって(笑

73年ラインナップ(左上から時計回りにHaim・Shuki・Moshe・Ilan Dadman)

Same (イスラエルPhonokol 4130-2)`97

1、Our Love's A Glowing Thing 69年シングルA面
2、Many Cries Help 70年EP
3、Wheels Of Love 73年シングルB面
4、I've Got Starshine,Ive Got Luck 71年シングルA面
5、Far Away 71年サントラ
6、Phantom Adom [Red Phantom] 70年EP
7、Baa Mnucha Layagea [Shir Haemek]71年 TVオンリー
8、At Lo Tova [You're Not Good] 70年EP
9、Aphrodita  74年シングルB面
10、Nolad Gaon [A Genious Is Born] 73年シングルA面
11、Give Me 72年シングルB面
12、Made Me Cry 72年シングルA面
13、Katza 69年シングルB面
14、Satan What You Want From Me 74年シングルA面
15、Where I Belong 71年シングルB面
16、Loop De Loop TVオンリー
17、Ani Meshuga Letaltalayich [I'm Crazy For Your Curls] 68年EP
18、A Day in the City 71年サントラ
19、I've Seen You Around 71年サントラ
20、My Girl TVオンリー

ヘブライ語のタイトルがさっぱり読めないと思いますので、アルファベット表記にしました。
ヘブライ語タイトルの曲はヘブライ語で、その他は英語で歌われています。
彼らの残したシングル・EPからの曲と、サントラ収録曲とTV用に収録された音源を追加した20曲入りのベストです。
97年にリリースされたもののうえ、おそらく日本にはあんまり入荷していないと思われますので、もう入手が難しいかもしれません。
ですので、興味のある方は多少割高でも買っておいたほうがいいかもしれません。

クレジットのヘブライ語の字の形から判別(笑)すると、1~4,6,8~15,17,20はHaimを中心としたメンバーの自作曲のようです。
2枚のEPからの曲が4曲ほど収録されていませんが、65分弱の収録時間からするとコンプ収録できたのではと残念に思います。

時代順に行くと、18が68年の1stEPからの曲で思いっきり中近東的なサウンドが怪しくて素敵です(笑
1&13がUK録音の出世作シングルからで、1はビーチボーイズばりのキャッチーなハーモニーポップ、打って変わって13は凶暴なハモンドオルガンとギターが織り成すハードロックという極端な組み合わせです。
2・6・8が70年の2ndEPからの曲で、2は1と同傾向のハーモニーポップで、こっちの方がメロもビート感も良くて個人的にはお気に入りです。
広大な砂漠を見渡しているようなイメージの雄大で美しい6といい、抜群のメロディーセンスとグルーヴィーなオルガンがかっこいい8といい、このEPの収録曲は非常に完成度が高いです。
4と15は71年のシングルで、両曲ともレゲエ風の仕上がりなのが印象的です。

5・18・19は映画「Queen Of The Road」のサントラ曲で、基本オーソドックスなバラードですがオブリガードが妙にハイテンションな中近東フレーズなのが面白い5、年代からすると妙にストレートなロックの18、これまた中近東風メロディーが素敵な19と、意外と外せない佳曲ぞろいです。
12&11はCBSに移籍後の72年のシングルで、赤ちゃんの鳴き声で始まる12は後期の最高傑作のひとつですね。11は71年のシングルと同じくレゲエの影響をそのまま引きずっているような感じです。

10&3はHaim Algranati And The Lions名義での73年のシングルで、10はこれまたレゲエスタイルですが、今までの同じスタイルの楽曲の中で最もうまく咀嚼した抜群のできばえです。
メロウなバラード~中近東風味~レゲエ風とドラマティックな展開が面白い3もなかなかだと思います。
74年のラストシングル14&9は、Koliphoneに移籍後のEl-Grant And The Lions名義のもので、ここで一言言いたい。
「Haim~からEl-Grant~に変えた理由って一体何??」(笑
という謎の変名後のシングル、14はまたもやレゲエ風でさすがに食傷気味ですが、B面の9が疾走感のあるR&B的なかっこいい曲なので、ラストの1枚として救いがあります。

残る7・16・20がTV番組用に収録された音源だそうです。
7は71年に収録された、イスラエルの古いフォークミュージックのカバーで、彼らの持ち味の一つである中近東的な雄大なイメージの素晴らしい曲で、よくぞ音源化してくれたと絶賛してしまいます。
16&20はおそらくかなり初期の演奏で、けっこういなたいです(笑
特にBeach Boysの「Surfer Girl」あたりを拝借したと思われる20は、いなたさの中にも彼らが最初にやりたかったことがよく分かるほほえましい1曲です。


この通り、時代がバラバラの曲順に編集されているのですが、正直聴きづらいので時代順に編集しなおして聴いています(笑


今度リイシューする時は、ぜひコンプリートにしていただきたいものですな。


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コメント

You Tubeでちょっと試聴してみましたが、「Wheels of Love」って曲、予測不能な展開が何ともプログレッシヴ(?)で気に入りましたぁ~!
リーダーの人、今でも熱心なファンがいらっしゃるようで、ドサ回り(←失礼!)してる映像もありますね(笑)。

イスラエルには、きっと魔性のオンナがいるんだと思います。バンドを空中分解させ、なおかつイスラエルでの活動を決心させる理由は、オンナがらみに違いありませんってば(笑)。

そうそう、Graham師匠ならすでにご存じかもしれませんが、非英語圏の言語のグーグル翻訳は、英語へ訳すとかなりマトモな文章が出てきます。

  • 2011/01/13(木) 20:13:08 |
  • URL |
  • クロム #ybSqUg1.
  • [編集]

†クロムさん
あの曲は、コロコロ音楽性を変える彼らをある意味象徴しているかもしれません(笑
クロムさんは好きなグループだと思います。
中近東っぽい曲が面白いんですよ、これが。

>英語で訳すと
ルーマニア語とかを訳す時にはこっちの方が良さそうですね。
ちなみに、ヘブライ語はまあまあまともでした(笑

  • 2011/01/17(月) 18:28:24 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]

†クロムさんに追記
うかつにもこんなおいしいネタを忘れていました(笑

>イスラエルには、きっと魔性のオンナが
わたし~のため~にぃ~ あらそ~わない~でぇ もうこ~れ~い~じょ~ぉ~♪
って感じなんですね(笑
オンナには振られるし解散はするわで、踏んだり蹴ったりですね(笑

クロムさんならこのくだりに突っ込んでくれると思ってたので、記事を書き上げたことに加えた達成感が(笑
ありがとうございます♪

  • 2011/01/21(金) 16:56:26 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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