あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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Prúdy 1969:上左からPavol・Fedor、下左からVlado・Peter・Marián

5.22:Fedor Frešoについて加筆


今回は、Dežo Ursínyと共にスロバキアの音楽シーンの兄貴分的な存在である、Pavol Hammelが率いたグループPrúdyを紹介します。

ブラチスラヴァの音楽一家に生まれ、バイオリニストにとの父親の意向を蹴ってギターを弾き始めたPavolが、62年に仲間と結成したグループJetsがその源流で、翌63年にJetsのスロバキア語表記であるPrúdyと改名したところから始まります。
結成時のメンバーはPavol(G)・Peter Saller(G)・Vladimír Kaššay(B)・František Machats(Ds)の4人で、のちのフォーキーな印象からしたら驚きですが、当初はSputniksやShadowsなどの影響を受けたインストグループだったとか。
ま、時代からしたらそうなるでしょうね。

64年くらいから、ブリティッシュ・インベイションの影響を受けてビート・グループ化し、同時にDylanを経てビートニク詩人らの影響を受けて行ったようです。

67年、Františekが脱退し、解散したばかりのBeatmenからPeter Petro(Ds)が、そしてMarián Varga(Key)が加入。
この頃から、PavolとMariánを中心にオリジナル曲を書き始めました。
Pavolの高校時代からの友人Boris Filanと、Mariánの音楽院での同級生だったKamil Peterajが作詞を担当し、曲によっては Ján Masarykら詩人の詞を取り入れたりもしています。

こうしてDylan・Donovan、そしてBeatlesのサウンドとビートニク的な詞を、彼ら独自で咀嚼したサイケでシュールなフォークロックに形成していきました。

同年12月、1st Beat Music Festivalに出演、Dylanばりのフォーキーなステージを展開させました。

以前紹介したFlamengoに負けず劣らず、Prúdyもメンバーチェンジの激しいグループでした。
68年、1stシングルリリース後にPeterが脱退しĽubomír Dolinský(Ds)が加入するも、あっけなくベースのVladimírと共に脱退、同時期に空中分解したSoulmenからFedor Frešo(B)とVlado Mallý(Ds)が加入と、目まぐるしいメンバーチェンジを繰り返したのち、ようやく安定したラインナップになりました。
と言っても2年弱なんですが(笑

ともあれ、この5人のラインナップの時期が、グループにとって最も充実した活動をして行くことになります。

同年、TV映画「Aleluja」(Pavol自身も胡散臭そうな格好で出演)やTV番組「Nedeľná Chvíľka Poézie」のサントラを手がけ、12月には2nd Beat Music Festivalに出演し、前年とは打って変わってサイケな要素を前面に出しています。

Pavolの67年と69年のステージスタイルの違いを見てみましょう。

スタイルの変化が

左が67年、右が69年1月の画像なんですが、67年の思いっきりDylanチックなスタイルから、BandのRobbie Robertsonみたいになっちゃってますね(笑
以後、丸メガネは彼のトレードマークになります。

68年末から、グループは1stアルバム「Zvoňte, Zvonky」と、Pavolのソロ的な「Pokoj Vám」を制作しており、前述のサントラなどを合わせると、かなりハードなスケジュールだった事をうかがわせます。

ビートニク的な内容で、当時はリリースが見送られた「Pokoj Vám」についてはいずれ改めるとして、ここでは翌69年にリリースされたPrúdyの記念すべき1stアルバム「Zvoňte, Zvonky」について述べます。

このアルバムは、前述したサイケなフォークロック路線を前面に出した、非常にユニークなもので、Olympicの「Želva」やMatadorsのアルバムと共に、「プラハの春」前後期の最重要アルバムの一つです。
全体的にサイケと言うかシュールな空気に包まれており、その空気を支配しているのが全12曲中9曲を占める、クラシカルな要素をうまく織り込んだMariánの個性的なソングライティングで、さり気に感じさせる前衛的なセンスは、後のCollegium Musicumに繋がって行っているように思います。
リーダーであるPavolも3曲提供していますが、作曲面ではMariánへの依存度が圧倒的に高かったみたいですね。

子供の頃にピアノを弾き始め、ブラチスラヴァ音楽院を卒業した秀才のMariánですが、Prúdy時代は斜に構えたシニカルなキャラクターで売りたかったみたいです(笑
しかし、映像を見ると育ちの良さが出てしまっていて、あまり向いていなかったように思います(笑

ひねてみたい年頃です(笑

Collegium Musicumの2ndくらいまではヤンチャ路線で行っていたみたいです。
ま、21歳くらいの男なら誰しもやってみたくなることではありますね。
今回調べていて驚いたんですが、MariánはPavolより1歳年上なんですよね。
Pavolのほうが5歳くらい上だと思っていました(笑

「お嬢さん、お嬢さん」キャー!(笑

昔、このジャケが「女子高生の背後でコートをバッと広げる全裸のおっさんみたいだ」ってクロムさんに言ったら「結構カッコいいジャケだなぁ~って思ってたのに~」と怒られてしまった事を思い出します(爆笑

ベスト・ベースプレイヤーの1人です

Mariánのピアノ&オルガンと共にPrúdyの楽曲に色を添えているのが、Fedor Frešoのふくよかで艶のあるベースプレイで、音数は多いが前に出過ぎない、それでいて耳に残るFedorの演奏は非常に魅力的です。

また、陽気でお茶目なキャラクターで、グループのムードメーカー的な存在でもあったのではと思います。

変顔のベストプレイヤーでもあります(笑

変顔も絶品です(笑


「Zvoňte, Zvonky」リリース後、そのMariánとFedorが脱退し、同時期にレコーディングに顔を出していたDušan Hájek(Ds)らとCollegium Musicumを結成。
Prúdyのサイケデリック・イヤーズは終わりを迎えます。

これ以後も、Prúdyはひっきりなしにメンバーを取っかえ引っかえしながら、75年の解散まで活動して行くのですが、グループを通り過ぎて言った面々が、Collegium MusicumやFermataなどのスロバキアの名グループを結成していることから、PrúdyというPavol兄貴の元で、スロバキアの若いミュージシャン達が鍛錬を重ねる場のような側面もあったのかもしれません。

少なくとも、結果的にはね(笑



と言うわけで、69年にSupraphonからリリースされたPrúdyの1stアルバム「Zvoňte, Zvonky」を紹介します。


オリジナル盤よりちょっと傾いてます

Zvoňte, Zvonky (スロバキアBonton 495360 2)`99
        (スロバキアOpus 91 0005-2)`07

この99年のBonton盤は、同時期のシングルや未発表音源をボーナスで追加しているのでおすすめなのですが、さすがにもう入手が難しいと思います。
07年のOpus盤はボーナス無しの12曲仕様ですが、これはまだ入手可能だと思います。

1. Zvonky, zvoňte (M. Varga / R. Skukálek)
2. Pred výkladom s hračkami (P. Hammel / B. Filan)
3. Balada o smutnom Jánovi (P. Hammel / B. Filan)
4. Jesenné litánie (P. Hammel / K. Peteraj)
5. Strašidlo (M. Varga / J. Masaryk)
6. Keď odchádza kapela (M. Varga / B. Voroňák)
7. Poď so mnou (M. Varga / R. Skukálek)
8. Možno, že ma rada máš (M. Varga / R. Skukálek)
9. Možno (M. Varga / J. Masaryk)
10. S rukami vo vreckách (M. Varga - P. Hammel / R. Skukálek)
11. Dám ti lampu (M. Varga / K. Peteraj)
12. Čierna ruža (M. Varga / J. Masaryk)

Bonus
13. Tam v Massachusetts (The light went on in Massachusetts) (R. Gibb / B. Droppa)
14. Spievam si pieseň (P. Hammel / R. Skukálek)
15. Biela holubica (P. Hammel / J. Masaryk)
16. Zaklínač hadov (P.Saller-P.Hammel / M.Lasica)
17. Po písmenku (P. Hammel / M. Válek)
18. Keď zomrie lev (P. Hammel / B. Filan)
19. Šesť starcov (P. Hammel / B. Filan)
20. Medový máj (P. Hammel / K. Peteraj)
21. Mama (P. Hammel)
22. Ráno (P. Hammel - M. Varga / B. Filan)


それでは、簡単に各曲を紹介します。

アルバムの冒頭を飾る1は、基本フォークロックなのにファズがバリバリ鳴っているちょっとシュールな曲。
Pavolらしいフォーキーなサウンドで、Bパート→オブリガード→サビの展開が素晴らしい2、Dylan直系の重暗いバラッド3、Mariánのピアノでのオブリガードが面白い、「秋の連祷」というタイトルにふさわしい、美しいフォークバラード4、鋭いギタープレイと重く畳み掛けるリズムがダークな印象の5、ノベルティソングの要素を取り入れた陽気な6…とここまでがLPでのA面にあたります。

7はとぼけたメロディーにクラシカルかつシュールな中間部を持ったヘンな曲(笑
でも、アルバム中一番面白い曲かもしれません。
訳すと「僕と来て」となるんですが、どうりでこの映像(1曲目です)でメンバーが「おいでおいで」してるわけだと納得(笑
でも、Mariánだけはやってなくて、やはりこんな感じです(笑

ちょっと目が怖いです(笑

畳み掛けるようなビート感の中に、クラシカルなフレーズをうまく織り込んである8、ハープシコードの音色を生かした、バロック調フォークロック9、教会音楽のような荘厳さを持つ、アルバム中唯一のPavol/Mariánの共作曲10、9と似たスタイルで、更に軽快さを出した11、そしてラストを飾るのは「ブラックローズ」と題された、テンポチェンジを取り入れた重いサイケフォーク12…とこれがB面にあたります。

13以後はボーナストラックで、13・14が68年の1stシングル、アルバム内の12と16が同年の2ndシングル、19-22が71年リリースのEP、残りが当時の未発表曲で、カバーの13とPavol/Mariánの共作曲22以外はPavol作です。

耳タコのBee Geesカバーの13を始め、はっきり言って取り立ててポイントのある曲がなく、非常に地味な印象です。
スパニッシュスタイルを取り入れた19なんかはインパクトはありますが、似合ってるとは言いがたいですし…。
そんな中、Mariánの切れ味のあるハモンドがかっこいい22だけは完成度が高く、この事からも、67-70年の段階でのPavolのソングライティングがやや単調で、Mariánのソングライティングに依存せざるを得なかった事情が垣間見えます。

Pavolのやや上ずったようなボーカルと、前述したややシュールなサウンドはクセがあるので、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、それでもその個性はずば抜けていますので、一聴の価値があると思います。


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コメント

いつも楽しく拝見させて頂いております。
私も60年代の音楽を漁っているのですが、著者の方はどのようにしてCDを手に入れているのでしょう?どこに行っても見つからなくて・・・

  • 2011/05/16(月) 00:46:10 |
  • URL |
  • getca #-
  • [編集]

†getcaさん
初めまして♪
更新がスローなのでなかなか充実しませんが、気が向いた時にでも覗いてくだされば幸いです。

質問が漠然としているので答えにくいのですが、Prudyの記事なので「東欧ものについて」と言うことでお答えします。
東欧ものは、70年代のプログレものは比較的日本にも入荷されていますが、60年代ものはほとんど絶望的な状況です。

また、そんな状況ですので中古での入荷もほとんどなく、地方はもちろん都心部でもなかなか見かけることは無いと思います。

この手のものは、日本で出てくるのを待っていてもなかなか収穫は得られません。

国内ならば、ものすごく少ないですが独自のルートとノウハウを持っているショップに特注するか、直接海外と通販したほうがコンスタントに入手できます。
今はグーグル翻訳で簡単な会話文なら書けますし、挑戦されてみたはいかがでしょうか?

あと、どういうCDが出ているのかを検索して、商品知識を身につけておくと、探すのもやり取りするのにも便利です。

ここでは細かいことまでは書ききれないので、ざっくりとした説明になりましたが、参考になれば幸いです。

  • 2011/05/16(月) 13:33:52 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]

グラハムさん、こんばんは!
Mariánって人、カッコイイ!
クロムさんもお気に入りの御方なんですか!?
だったら私もそうだわ~!なんせクロムさんとほぼ同じ趣味してますからね(笑)
バンドのほうの曲も動画で聴きましたけど
どの曲も聴きやすくて私好みでした!
いま動画で聞いてるのは「Čierna ruža 」って曲。
ドラマチックな展開でステキです~!

  • 2011/05/16(月) 23:25:12 |
  • URL |
  • もりたん #ZA9zVw0U
  • [編集]

あっ、もりたんさん、私は特にMariánのファンってワケではないんですけど、このカサブランカ・ダンディなジャケの雰囲気が何となく好きだったもんで・・・。

プフゥ~!Mariánって結構キャラづくりしてたんですね~。そんな点にもキチンと目配りしてるGrahamさんのブログってステキすぎっ♪
一方、ハメ吉さんったら、よくお祭りとかで売ってるメガネとヒゲが一体化したお面つけてるみたいですよね(笑)。
・・・などとどうでもイイ話ばっかりでスミマセン(汗)!

「Zvonky, zvoňte」名曲ですよね~♪
私の中では、東欧という枠組みを外しても、脳内60’sジュークボックスの定番ナンバーの1つです。
私が持ってるのはボートラなしの廉価盤なんで、「取り立ててポイントのある曲がなく」の一言のおかげで精神の平静を得ることができました(笑)。

へぇ~、Fermataのメンバーもハメ吉道場で稽古したんですかぁ~!
Prúdyはスロバキアのヤードバーズかいな(笑)?!

そういえば、ハメ吉&Radim先生&Mariánの90年代の共演盤なんてのもありましたね~。
期待の割りに内容がイマイチだったのか、単に私の記憶力が低下してるのか、ほとんど印象には残ってませんが・・・(笑)。


  • 2011/05/21(土) 16:03:24 |
  • URL |
  • クロム #ybSqUg1.
  • [編集]

†もりたんさん
結構整った顔立ちですよね。
Prúdy時代は、横から見たらサザ○さんみたいですが(笑
クロムさんは女性の前でコートをバッと広げる怪しいおじさんが好きなんですよ(爆笑
このグループももりたんさん好みだと思います。

†クロムさん
Mariánについての件はフォローしておきました(爆笑
この頃の映像、Marián本人が今見ると照れくさいかもしれませんね(笑
ハメ吉さんのほうが、むしろどんどん全裸&コートが似合う怪しさを出していっているような気もしないでも(笑

Bonton盤のボートラは当時のシングルと未発表曲なんですが、いいのは10曲のうち2曲くらいかな?
もうちょっと装丁がよければボートラなしでも問題ないですけどね。
ケースがすごいチャチだと言うことなので・・・。

YardbirdsというよりはJohn Mayallに近い感じでしょうか?
もめてやめると言うよりは、背中を押してやってるみたいな印象です。

キャリアが長いミュージシャンは、年々モチベーションを保つのが大変になってきますから、わずかな例外を除くと結構厳しい内容になりますね。

  • 2011/05/22(日) 19:59:35 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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  • Author: Graham
  • 日本語での情報の少ない、60年代の東欧・北欧・中近東などのBeat/Psychを中心に紹介しています。
    翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
    この自画像は、漫画友達の「ゆったりの間」管理人さん冬灯紗沙さんに描いて頂いたもので、さり気に対になっていたりします。

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