あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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あどけないです(右端以外
Ashtrays 1966 :(L to R)Søren・Henrik・Bosse・Henrik Bengtsen

最近あんまり買うものがないので、すでに持っているものをパラパラと聴き返しているのですが、そんな中でここで紹介するのにふさわしい、あまり知られていない面白いグループがあったので、今回それを取り上げることにしました。

当時、デンマークにも数多くのグループが存在していましたが、ビートブーム期はほとんどがカバーに終始したものがほとんどで、スウェーデンに比べるとなかなかこれというグループがいません。

今回紹介するAshtraysは、はっきり言って当時のデンマークのシーンを牽引したグループではないし、残された音源も少なくて演奏も雑ですが、妙に印象に残る楽曲を残しています。

Ashtraysは、デンマークの首都コペンハーゲン郊外のフムレベックで結成。
結成当初のメンバーはHenrik Arendsdorf Bengtsen(Vo.G)・Søren Madsen(G)・Henrik Berth(Ds)の3人で、ほどなくしてSøren "Bosse" Christensen(Ds)が加入、Henrik Berthは空席だったベースにチェンジした4人編成になりました。
結成当初の3人は当時15歳で、後で加入したBosseに到っては14歳という、非常に若いグループでした。
上の画像でもあどけなさを感じることができると思いますが、右端のHenrik Bengtsenはジンジャー・ベイカーっぽいルックスで、1人だけおっさんっぽいですね(笑

Søren Madsenの自宅のロフトなどで練習を重ね、同年11月にランステッドの高校のパーティーで初ライヴを行っています。
当時のロフトでの演奏を録音した音源が、後述のCDで聴くことができるのですが、いかにも楽器を手に取ったばかりといった感じのいなたい演奏で、この腕前でパーティーで演奏して大丈夫だったのかとハラハラしてしまいます(笑

その後も地元のクラブなどでライヴを重ねていたようです。

67年、Henrik Bengtsenが脱退、代わりに1歳年上のCarsten Christiansen(G.Vo)が加入、ほんの一時この4人で活動するも、ボーカル面で厳しかったのか同年9月にはHenrikを呼び戻して5人編成になっています。
そして地元のJacks Beatレーベルと契約して、10月にSmall FacesとDylan(Byrds?)のカバーをレコーディング、12月にシングルとしてリリース。

このシングルの演奏を聴くと、よくこれでOKが出たなと思ってしまうほど雑…というかヘタ(笑)なんですが、彼らのレコードをリリースしたJacks Beatというレーベルの性格のおかげと言えます。

Jacks Beatは、65年にJack Fridthjofが設立したローカル・インディ・レーベルで、メジャーなグループと契約できない、またレコーディング費用の工面に苦しんでいる若いグループにレコーディング設備を安価で使用させていたそうです。
このレーベルで多くのマイナーなグループがレコードをリリースしており、Ashtraysもそんなグループの一つだったというわけです。
ただ、インディ・レーベルという性格上、そのレコードの販売面では非常に思わしくなかったようで、苦しい経営の末69年に閉鎖されています。

シングルに続き、68年2月にはCarstenを中心としたメンバーのオリジナルと、レーベルメイトのフォークシンガーPoul Butteflyから提供を受けた曲からなるEPのリリースが企画され、デモレコーディングが行われたものの中止。
おそらく、予算の都合上、EPをリリースするよりもアルバムを制作するべきだという結論になったのではと思われます。
この頃にSøren Madsenが脱退。
ギターが3人もいて、雑な演奏のムラを隠すために必要なライヴ時にしか呼ばれなかったことが不満だったようです(笑
事実、直後にSvend Jørgensen(G)を加入させていますが、その後のレコーディングには参加しておらず、やはりライヴの時だけ参加していたようで、いかに彼らのライヴでの演奏がひどかったかを垣間見させてくれますね(笑

そして10月、そのSvend以外のメンバー4人でレコーディングされた彼ら唯一のアルバム「Ga Go Gu」をリリース。

時代を反映してか若干胡散臭くなって(笑
Ashtrays 1968

67年のシングルはカバーでしたが、このアルバムでは14曲中カバーは1曲で、あとは作曲センスの成長が著しいCristenを中心としたメンバーのオリジナルと、前述のPoul Butteflyの曲で占められており、当時のサイケデリックなスタイルを取り込んだプロダクションで制作され、相変わらず雑な演奏ではあるものの、楽曲の良さもあってか随分すっきりと聴ける内容になっています。
…サイケな要素で、雑な演奏をある程度ごまかすのに成功したと言えますね(笑

彼らは確かに演奏はかなり雑でしたが、ソングライティングはなかなかのセンスを持っており、特にCarstenの手がけた独特の陰影を持たせたメロディアスな楽曲は素晴らしく、妙に印象強いものがあります。

「Ga Go Gu」リリース以後は、Jacks Beatが閉鎖されてしまったことでレコードのリリースが事実上不可能になってしまい、目立った活動はしていないようですが、それでもメンバーチェンジをしつつ、ジャズ・ロック・グループ(!!)として77年くらいまで活動していたそうです。

Ashtraysは決して当時のデンマークを代表するグループではありませんが、その残されたいくつかのマテリアルは、下手なメジャーなグループよりも強い印象を感じさせてくれます。







Ashtraysは、Jacks Beatでシングルとアルバムを1枚ずつ残しています。
インディ・レーベルでのリリースと言うことなので、ほとんどプライベート・プレッシングに近い感じだと思われるので当然かなりレアで、特にアルバム「Ga Go Gu」は恐ろしいプレミアがついているようです。

こっちの方がかっこいいです
Ga Go Gu

先日海外の某所で、10万円以上で売られていましたので、その価格からすると100枚プレスしていればいい方なのではと思います。
こんなマヌケなタイトルのアルバムに10万円出すのは微妙だろうなー(笑

ただ、これだけのプレミアが付くだけあって、がさつな演奏ながら魅力的な楽曲が数多く収録されており、こういうオブスキュアなアイテムのコレクターにはたまらない魅力があるのだと思います。

しかし、僕らのような一般的なピーポーにはとても手が出ませんから、関心のある方は以下のCDをゲットされるといいと思います。

デザインセンスがイマイチです

Album, Singletracks & demos 1965-69 (デンマークFrost 0706)`06

1,Get yourself together (S.Marriott/R.Lane)
2,My back pages (B.Dylan)
3,Simon Smorney (Poul Butterfly)
4,In my life (Carsten Christiansen)
5,Discotheque girl(T.Møller/J.Sørensen)
6,Intermezzo (Møller/Fridthjof/Butterfly)
7,Come and stay (Carsten Christiansen)
8,You and I (Poul Butterfly)
9,Feels of loneliness (Carsten Christiansen)
10,Signs of vision (C.Ehrlich/C.Christiansen)
11,Ticking (C.Ehrlich/H.Bengtsen)
12,You bring me the sunshine (Poul Butterfly)
13,I don't want to hurt you(Carsten Christiansen)
14,Say you'll be mine (Poul Butterfly)
15,Depression (Ashtrays)
16,Friday kind of Monday (J.Farnam)
17,Simon Slante (Thøger Olesen/P.Butterfly)
18,Du driller mig (Thøger Olesen/P.Butterfly)
19,You and I (demo) (Poul Butterfly)
20,Feels of loneliness (demo) (C.Christiansen)
21,Gruppesnak
22,I don't want to hurt you (demo)(C.Christiansen)
23,Rag doll (live) (B.Crewe B.Gaudio)
24,I'm so happy (live) (B.Robinson)
25,Bloodhound (live) (Bright)
26,Mashed potatoes (D.Rozier)

タイトル通り、唯一のアルバム「Ga Go Gu」とシングル、そして秘蔵デモ音源とライヴなどが収録された集大成的な内容です。
創立メンバーのHenrik Arendsdorf Bengtsenが編集に協力しているようで、秘蔵音源に加え、この手のマイナーなグループにしてはやたらと詳細なライナーがレアフォトとともにブックレットに掲載されています。
おそらくマスターは現存していないと思われるので盤起こしのようですが、ちゃんとマスタリングを施してあるようで、わりとすっきりした音質です。
デモとライヴはその性格上やや音質・音圧ともに落ちますが、まあ秘蔵音源としては上等なレベルだと思います。

収録曲の概要は、1&2は67年のシングル、3~16が「Ga Go Gu」収録曲、17&18が69年にリリースする予定だったがレーベルの閉鎖によって中止になったシングル用のデモ、19~22は67年のデモ(21はメンバーが騒いでいるのを録音しただけのもの)、23~25は67年のヘルシンゴーでのライヴ、そして26はなんと結成して間がない65年のSøren Madsen宅のロフトでの録音だそうで、よくそんなの残ってたなー。

1はテープ逆回転を使用していますが、予算の都合かそのテープループが短いためにあまりにも単純で、はっきり言ってイントロ以外では耳障りでした。
あと、このボーカル&演奏でSmall Facesのカバーなんて無謀ですよね(笑
B面曲の2の方が、彼らの陰影のある空気とマッチして味わいがありますね。

「Ga Go Gu」収録曲は、相変わらず演奏は雑なものの、16以外がメンバーやPoul Butterflyらが手がけたオリジナルで占められた、独特の影を感じさせる魅力的な内容です。
リンクをつけたダークで美しい4・8、Oasisの曲をテキトーに弾いたようなポップで妙にかっこいい7は素晴らしく、このアルバムに諭吉10枚出す人が存在する理由がよく分かります(笑
特筆すべきはPoul Butterfly作の8の切ないメロディーの美しさで、僕はこの曲だけでもAshtraysを聴く価値があるとさえ思っています。

イントロでトイレでのひとしきりをSEに入れたわけの分からない9や、イントロで目覚まし時計の音が鳴り響いていつも驚いてしまう11などくだらない曲もありますが、CarstenとButterflyの手がけた曲はなかなかのものです。
最後のカバー16は数合わせなのか、別になくてもいいような印象です。

デモ音源はオリジナルよりもやや音圧が落ちるだけで、基本的にはほとんど同じような演奏で、基本的にそれほどアレンジは練ってはいないようですね。
やはり耳に止まるのは8のデモバージョン19で、この曲が2回聴けるのも個人的にこのCDの魅力になっています(笑

ライヴ音源はスタジオ録音以上に雑な演奏ですが、23・24のようなハーモニーを使用した曲を取り入れているのが印象的で、ギターが3人いると言うよりは、歌うメンバーが必要だったのではないかと感じました。

ラストの65年のロフトでの録音は、まだ楽器を手にしたばかりなのがよく分かるすさまじいシロモノで、一般的なレベルではとても聴けたものではありませんが、実は間に「Misery」「House Of The Rising Sun」などを挟んだメドレーになっているのが面白いです。

以上、こういった内容です。

まだ廃盤になってはいないようですが、このレーベルのオーナーがデンマーク国外に流通させる事をほとんど考慮していないせいもあって、日本にはほとんど流通していないのが痛い所です。
ディストリビュートしてくれるレーベルでのリイシューがある事を願いたいところです。




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