あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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Soulset:(左上の2人)Harri・Edward(下)Seppo(後は不明です)


さて、今回は予告どおりTopmost絡みの2つのグループ、SoulsetとBlack Flag Of Utopiaを紹介します。
両グループとも活動期間が非常に短く残された音源も少ないので、詳細なデータもあまり判明しないのですが、その楽曲・演奏の完成度が非常に高く、また当時のフィンランドの小さなミュージックシーンでの、ミュージシャンの関わりが垣間見えて興味深いものがあります。


Soulset(1968-69)
68年春、Seppo "Paroni" Paakkunainen(Fl.Sax)・Pekka Laitinen(B.Key)・Ilpo "Ilja" Saastamoinen(G)・Martti "Edward" Vesala(Ds)らジャズ系のミュージシャンを中心にヘルシンキで結成。

当初はソロシンガーのレコーディングのバックを努め、秋ごろに元TopmostのHarri Saksala(Vo.Sax)を加えたラインナップでSonetからシングルをリリース。
69年にはParlophoneに移籍してシングル2枚を、さらに同年FinnlevyからEdward Vesala Jazz Bandとのスプリット盤のLPをリリースしています。

前述の5人を基本に、レコーディングによってさまざまなミュージシャンが出入りしており、翌70年に結成されるTasavallan Presidenttiなどのジャズロック勢や、HarriとEdwardが結成したApolloなどの、70年代フィンロックの素地がこの時期に形成されて行った事を垣間見せてくれます。
ちなみに、後期JormasのメンバーだったArto "Mamba" Koskinenも上記のFinnlevyでのアルバム制作時に参加していました。

アルバムリリース後に間もなく活動停止したようで、HarriとEdwardはApolloを、SeppoはHarriの元同僚Vasilij "Gugi" Kokljuschkinらと後述するBlack Flag Of Utopiaを結成しました。

Soulsetのサウンドは、そのグループ名と関連したミュージシャンの出自が物語っているように、ジャズとソウルを基本にしたグルーヴィーなもので、曲によってクールであったり暑苦しかったり(笑)しますが、どちらかと言うと熱気を感じさせるタイプの演奏だと思います。


Black Flag Of Utopia(1969-70)

a396.jpg
Black Flag Of Utopia:(L to R)Timo・Gugi・Ken・Nono・Seppo

Soulset解散後の69年にSeppoが結成したグループで、メンバーは元TopmostのVasilij "Gugi" Kokljuschkin(Vo)・Nono Söderberg(G)・Timo Väkevä(B)、そして元Belfast Gypsiesのアイルランド人Ken McLeod(Ds)の5人。
KenはBelfast Gypsies解散後、スウェーデンからフィンランドに流れて来ていたんですねー。

Black Flag Of Utopiaは非常に短命だったため、シングル2枚(1枚は宣伝用の片面シングル)の3曲しか残していませんが、いずれも素晴らしいできばえで、個人的には60年代フィンランドのベストグループの一つです。

Soulsetと比べるとクールなスマートな肌触りでややプログレ色が濃く、Jethro Tullに近いサウンドです。


オマケ(笑

Apollo(1969-70)

a397.jpg
Apollo:(L to R)Edward・Harri・Heimo(下)・Eero

Soulset解散後の69年、Harri(Vo)とEdward(Ds)、そして元TopmostのHeimo "Holle" Holopainen(B)・Eero Lupari(G)の4人で結成。

70年にBlue Masterからシングルとアルバムをそれぞれ1枚ずつリリースして、これまたあっけなく解散。
HarriはKalevalaに参加しています。

Apolloは、Zeppelinなどのハードロック勢に影響を受けたハードロックとジャズロック的な要素を合わせ持ったグループで、Harriの低音ヴォーカルと重苦しい演奏はかなり好みが分かれるところで、僕は結構きつかったかな(笑
Harriのヴォーカルはハードロック的なサウンドは似合わないような気がしますね。
あと、上の画像(載せるべきがちょっと悩みました(笑)から感じさせるようなアートロック的な側面もあったようで、アルバム収録曲の中に尺八をフューチャーしたものがあったりします。
ま、かなりキワモノっぽいですが(笑

ある意味時代のあだ花的なグループではありますね。

a398.jpg





Soulset・Black Flag Of Utopiaともに、CD化状況は完璧とはとても言いがたいですが、いくつかの編集盤で聴くことができます。

Soulset

Singles
Ahdistus (P.Laitinen)
/ Nyt On Tie Sulle Avoin (S.Paakkunainen) Sonet T 6519 ‘68
Laulain Työsi Tee(All Together Now)(Lennon-Mccartney)
/ Saat Kaiken Muuttumaan(Pioggia Di Settembre)(DeSimone) Parlophone PAR 992 ‘69
Sauna-Soul(Soulset)
/ Brown And Hard (Soulset) 同PAR 993

Albums
SoulJumppaa Gross GRLP-27 ‘69
Soulset/Edward Vesala Jazz Band:Nykysuomalaista/Contemporary Finnish
 Finnlevy SFLP 9501 ‘69(A面5曲がSoulsetで、5曲とも詞Harri/曲Soulset)

オムニバス収録のみ
The Dish (M.Koskinen)‘69(発表は70年)

Soulsetはどの曲もかっこいいのですが、クールな「Nyt On Tie Sulle Avoin」や暑苦しい「Ahdistus」「Brown And Hard」、ドライブ感のあるインスト「Sauna-Soul」が完成度が高いと思います。
アルバム「SoulJumppaa」「Contemporary Finnish」は現状では未聴ですが、「Contemporary Finnish」はEdward Vesala Jazz Band(B面)とのスプリット盤で、収録曲の「Five Days Later」は「Brown And Hard」を再録音してタイトルを変えたもののようです。
「SoulJumppaa」の方は、A面がEdwardによるドラムレッスン教材で、B面6曲がSoulset名義になっていますが、現状では収録曲は不明です。
しかし、こんなレコよく発見したな(笑


収録CD:
他にも「Five Days Later」が収録されたオムニバスがありますが、随分前に廃盤になっていて入手がかなり難しいので割愛します。

1)Hei Vaan My Only One - Westerlund & EMI Years Part One (フィンランドEMI 0946 390033 2 7)(2CD)‘07 
2)Jee Jee Jee- Suomi-Rockin Arkistoaarteita(同Siboney SIBCD 10)‘98
3)Love Proge 2(同Love/Siboney LXCD 621A) ‘98

1)にParlophoneでのシングル4曲全てが、2)に「Memphis Soul Song」「Makea Sandra(Pecca Streng & Soulset)」が、そして3)には「The Dish」が収録されています。

ちなみに、「Jee Jee Jee」は65~72年のラジオセッションを14曲収録したCDで、なかなかに興味深い内容です。
Apolloのアルバムレコーディング以前のセッション「You Shock Me」なども収録されています。

a401.jpg



Black Flag Of Utopia:Singles
Anne(K.McLeod)
/ Sister Jo (S.Paakkunainen-K.McLeod) Parlophone 5E006-34057 ‘69
King Of The Road (R.Miller) James(No Number)(片面シングル)*Utopia名義 ‘70

前述のとおり、Black Flag Of Utopiaは3曲しか音源がないのですが、どれも素晴らしいできばえです。
フルートの音色を生かしたクールでジャジーな「Sister Jo」、同じくフルートをフューチャーしながらもジェントリーなラブソングに仕上げた「Anne」、Roger Millerの65年のシングル曲をグルーヴィーなインストにアレンジした「King Of The Road」と、短命に終わったのが非常に惜しく感じてしまう逸品ばかりです。
ちなみに「King Of The Road」はJames Jeansのプロモ用に配布された片面シングルで、非常に貴重でレアなレコードのようです。
もっとも、Parlophoneのシングルの方もかなりレアなようではありますが…。

SoulsetのParlophoneシングル曲と同じく、1)にParlophoneシングル2曲が収録されています。
「King Of The Road」は権利関係が複雑なのか、現状ではCD化されておらず非常に残念です。
Soulsetの音源と合わせたコンプリートなCDのリリースを期待したいところですが・・・。


ちなみに、1)にはJormasの前身にあたるJim & The Beatmakersや、後にTasavallan Presidenttiにヴォーカルで参加したFrank RobsonのグループMosaicなど、他ではなかなか聴くことができない音源が多数収録された、非常にツボを押さえた編集がなされたオムニバスで、フィンランド60's必携のオムニバスです。

おすすめです



Apolloは他でも情報があると思うので割愛させていただきます。



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