あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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怪しさ満点(笑

またちょっと久し振りの更新になってしまいました。

もっとも、今回はソ連ものの記事を書くためにCDを取り寄せて、聴いたりデータをまとめたりするのに時間がかかったからだったりしますが。

と言うわけで、今回は旧ソ連のVIAグループを数回に分けて紹介したいと思います。

60年代、ソ連ではロックをレコーディングすることは基本的に不可能でした。
ご想像通り、「プロパガンダ的」な理由です(笑
アンダーグラウンドで、ビートグループを結成して演奏することは可能ですが、レコーディングやツアーを行うことはできませんでした。

しかし、かの国でもビートブームの熱気を抑えきることはできなかったようで、66年にВИА[VIA](ヴォーカル・インスツルメンタル・アンサンブル)の結成・活動を認可するようになりました。
チェコスロバキアなど他の旧共産主義国でも同じですが、国が認可して公に活動が認められるわけで、認可されていないグループは今までどおりアンダーグラウンド扱いでした。

時代によって多少変化がありますが、VIAは基本8~10人編成で、楽曲や衣装などを管理する芸術的指導者がメンバーとして在籍(だいたいグループのリーダーが担当)していました。

VIAとして認可されると、国営Мелодияでレコーディングしてレコードがリリースでき、全国ツアーを行うことが可能になりますが、その代わり楽曲・音量・髪型・衣装、そしてステージでの動きに至るまで厳しい制約があり、アンダーグラウンド勢とは比べ物にならない自由度の低さでした。

それでも、ソ連全土でレコードをリリースしてツアーを行うことができるということは、その自由度を犠牲にしても魅力的だったのでしょうね。

以前に紹介したЦветы(Tsvety)は、そういう意味では革新的な存在で、彼らが既成事実を作り上げてしまったことで、73年以後の他のVIAの楽曲もそれなりにロックらしくなっていきました。

VIAは70年代半ばくらいまで絶大な人気を誇り、巨大な国土と人口を考えてもかなりの枚数のレコードを売りさばきましたが、カセットテープという新しいメディアの登場と、それを使用して自らの楽曲をアピールし始めたアンダーグラウンド勢の台頭により、徐々に過去のものとなって行きました。

VIAに関しては、編成人数が8~10人平均と多い上に、そのメンバーの変遷が激しく、グループによってはリリースデータなどあまり詳細な資料がないものも多く、とてもいつものような詳細な記事をグループ単独で書ききれないので、1回で2~3グループの基本的なことをさらっと紹介するにとどめました。

また、チェコスロバキアなど他の共産国のビートグループと比べると、前述の通り制限も厳しく、サウンド的にはとても同率には並べられないという事実の下で、68~75年くらいの範囲で、60年代ビート/サイケファンに「聴いてみてもいいんじゃないかな?」的なスタンスで紹介したいと思いますので、過大な期待は抱かずに、CDを購入する前に某つべなどで試聴されることをお奨めいたします(笑

また、前述の通り、アンダーグラウンドのグループも多く存在していたわけですが、旧ソ連のロックシーンを紹介した「ゴルバチョフはロックが好き?(原題:Back in the USSR)」によると、当時自らの演奏をオープンリールに録音するという概念がなかったそうで、それらのグループの音源が残されておらず、紹介しようにもできないのが残念なところです。


Поющие Гитары(Poyucshie Gitary)

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レニングラード音楽院を卒業したサックスプレイヤーАнатолий Васильев[Anatoli Vasilyev] が66年に結成した、VIA最古のグループの一つ。
グループ名は「Singing Guitars」という意味。
初期は6人編成で、後年VIAらしい大所帯になって行きます。
当時、自国でのBeatles的存在として捉えられていたようで絶大な人気を誇り、60年代にアルバムを残した唯一のVIAグループです。
しかし、サウンドそのものは検閲でかなりソフトに毒抜きされており、68~70年の録音曲でもほとんどオールディーズ的な甘口なもので、Beatles的なサウンドを期待するとズッコケると思います(笑
それでも、66年くらいまではロックのレコードをリリースすることを認められていなかったこの国で、いささか牙を抜かれた形とはいえビートグループのレコードが公式に発売されたのは、ソ連の若いポップミュージックファンにとって重要なことだったんだと思います。

70年代の楽曲は、60年代よりは多少ロック的になっていますが、やはりそれでもソフトで甘口で、UK/USロックの感覚で聴くとけっこう辛いものがありますが、それでも印象的な曲がいくつかはあります。

彼らは、68年から76年にかけて国営Мелодияから12枚程度のEP(半分はスプリット盤)、そして69年に唯一のアルバム(10インチLP)を残しています。
また、ソ連初のロックオペラ「オルフェウスとユリディス」の製作にもかかわっており、75年に初演、80年にはアルバム(2LP)もリリースされています。


Норок(Noroc)

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旧ソ連の構成共和国のひとつであるモルダビア・ソビエト社会主義共和国(現モルドバ共和国)の、モルドバ·フィルハーモニー管弦楽団のメンバーで60年代半ばに結成。
グループ名は「Minks」という意味。

芸術的指導者は、メンバーでメインソングライターのМихай Долган[Mihai Dolgan]で、メンバーは6人編成。
後年メンバーを追加して、VIAらしい大所帯で73年まで活動。

69年にМелодияから4曲入りのEPと、それからカットした2曲入りのワンサイドフレクシEPを残しています。
彼らの代表曲といえる「О Чем Плачут Гитары(What a crying Guitars)」は、業界では評価が高い曲だったようで、後述するГолубые ГитарыやВесёлые Ребятаもカバーしています。

サウンドは日本でいう「GS歌謡」的で、とても69年の作品とは思えないぐらい前時代的ですが、それでもVIAの中では比較的ビートグループらしい空気を持っていますし、VIAが登場して間がない60年代末のソ連で認められた範囲を垣間見ることができる、貴重なサンプルの一つだと言えます。

グループ解散後、MihaiはКонтемпоранул(Contemporanul)を結成。

モルタビアは基本ルーマニア系の人がほとんどなので、キリルからアルファベット表記にするとそれっぽくなりますね。
現モルトバでは切手にもなっていたりします。


Голубые Гитары(Golubye Gitary)

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最初のVIAと言われるPoyucshie Gitaryの登場に刺激されたИгорь Гранов[ Igor' Granov ]が、69年にモスクワで結成したグループでメンバーは8~13人(笑
80年代半ばには6人くらいになっていたようですが。

グループ名はBlue Guitarsという意味で、ポーランドのCzerwone Gitary(Red Guitars)と同じく、自らのギターを名前にしているというわけです。
たぶん、どちらかと言えばPoyucshie Gitaryへの対抗意識なんでしょうけどね(笑

70年代半ばくらいまで、VIAの中核グループとして人気を誇っていたようですが、82年に当時ソ連が軍事介入していた、アフガニスタンでの軍事慰問ツアーでゴネまくったことで処分されたことと、もはやVIAの影響力が薄れてしまっていた事により84年に解散。
軍事加入した国々が四苦八苦させられた、厳しい環境のアフガンに軍事慰問させるなんて、個人的には彼らに同情しますね。

サウンドは70~71年の3枚のEPの楽曲は、前述のPoyucshie GitaryとNorocをあわせたような印象で、やはりGS歌謡的なサウンドです。
75年以後は女性ボーカルを加えたりしてどんどんソフトになって行きます。


続きでこの3グループの曲が聴けるCDを紹介したいと思います。





VIAグループのCDは、ほとんどのグループのある程度の曲はリイシューされていますが、様々な内容のベスト盤をリリースしていて、どれを買えばいいのかわかりにくい場合が多いです。
また、ロシアならではの全音源収録のmp3で収録されたCDや、カウンターフィットのパッチもんなど、出所の怪しげなブツも出回っていますので、ある程度の慣れが必要な面があります。
元々VIAのレコをリリースしていた、国営レーベルだったМелодия盤や、継続してそれなりのCDをリリースしているレーベルのものを選んで購入すれば、大体ひどい代物には当たらないと思います。

mp3CDやパッチもんは、曲目どおりに収録されていなかったり、音飛びしたり聴くことが不可能なものがあったりと、落胆する可能性が高いので避けることをお奨めします。

そして、正規のものでも楽曲のデータが「68~74年の音源から選曲」みたいな感じで、大雑把にしか記載されていなかったり、それさえも記載されていなかったりすることが多く、これはというCDがあれば、ディスコグラフィなどで照らし合わせてから購入したほうが安心です。
まあ、そこらへんは他の国のCDと変わりはありませんね。

そんな感じで、僕自身がチェックをして選んだ、60年代ビート・サイケファンにお奨めというか、ある程度聴けるであろうと言うか(笑)、とにかくそういうCDを紹介して行きたいと思います。


Поющие Гитары 

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Поющие Гитары (ロシアМелодия MEL CD 60 01373)`08

90年代末くらいにEMIがリリースしていたデジパックとほぼ同じタイプの簡素な体裁で、ジャケットはグループの写真ではなく、何が言いたいのかよく判らないシュールなイラストで、これが更にチープな印象を高めています(笑
このシリーズのジャケットは全てこの手の怪しいイラストが使用されており、中にはちょっと怖いものもあり、正直このセンスには付いて行けないものがあります(笑
その代わりと言ってはあれですが、値段は700~1000円程度とかなり安いです。
音質はなかなかいいと思います。

68~74年の楽曲から15曲収録。
半分以上が68・69年の初期音源で、これらはビート/サイケファンには退屈だと思いますが、「Песенка Велосипедистов」が多少ましかな。
70年以降の音源は多少ロック度が高くなってきますが、「Beautiful Sunday」のカバーなどけっこう厳しいものがあります(笑
そんな中で異彩を放つのが70年のオルガンと軽くファズらせたギターをフューチャーしたダークなサイケ「Проводы」と、73年の若干プログレ的な要素のある陰鬱な「Саласпилс」で、彼らのような軽めのサウンドが持ち味のグループとしてはかなり異端な楽曲ですが、この2曲こそがずば抜けてできが良く、僕はこれを聴くためにこのCDを買ったようなものです。


Норок/Голубые Гитары

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V.A./ О Чём Плачут Гитары(Мелодия ‎MEL CD 60 01257)`07

60年代(というか71年までですが)の4グループの音源が収録されたオムニバスで、Норокは公式音源4曲全て、Голубые Гитарыは69~71年の公式音源のほとんどが収録されている便利なCDです。
Норокは元々楽曲が少ないですし、Голубые Гитарыは前述のПоющие Гитарыと同じデジパックのシリーズのCDがありますが、女性ボーカルを入れて更に甘口になった75年以後の音源の比率が高く、ジャケも以下のような不気味でビミョーなイラストなのでお奨めできず、この2グループはこのCDで十分だと思います。

a2029.jpg

両グループとも日本のGS歌謡に近い感じで、いなたい印象はあるものの小ざっぱりとしたなかなか活気のある演奏をしています。
特にルーマニア系で、モスクワの影響がやや薄かったと思われるНорокはわりとビート感もあるし、個人的に60年代VIAでは一番いいグループだと思います。


とりあえず旧ソ連VIA第1弾をやっと書き上げました。
こんな感じの流れであと1・2回取り上げようと思っています。

あんまり需要ないと思うけどね(笑



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コメント

待ってました!!

いよいよソ連編ですね。さすがのリサーチです♪
続編、楽しみにしております。

  • 2014/09/17(水) 08:28:57 |
  • URL |
  • サイケ #-
  • [編集]

サイケさん、お久し振りです。
いやー、まとめるの大変でした(笑
第2弾はまだ手付かずなんですが、大まかには決めてありますので、いずれそのうちたぶん(笑

  • 2014/09/22(月) 16:55:55 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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  • Author: Graham
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