あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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Science Poption 1966:(左上から時計回りに)Roger・Claes・Anders・Ola・Björn

また久し振りの更新になってしまいました。
今年に入って、今回を入れてもまだ3回しか更新していないとは(笑

今回は、スウェーデンのマニア受けするポップでスマートなビート/サイケグループ、Science Poptionを紹介したいと思います。
でも、あんまり詳しいデータが見つからなかったので、いつもより短く読みやすくなっております(笑

Science Poptionは、65年にストックホルムで結成。
メンバーはRadio SwedenのDJだったClaes Dieden(Vo.G)・ストックホルムに移住したイギリス人のRoger Wallis(Key.Vo)、そしてAnders Gellner(G.Sax.Vo)・Björn Stolt(B.Vo)・Ola Brunkert(Ds)の5人編成。

あまり詳しいデータが見つからなかったのですが、アルバムは残していないものの、英国勢に食われて、ほとんど売れずにシングル数枚で終わるグループが多かったスウェーデンで、2年程度の活動期間で6枚シングルを残しているので、それなりに人気のあったグループだったのだと思われます。

また、彼らのオリジナル曲やファッションなどのスマートなセンスは、業界受けしていたんじゃないかな。

当時の写真を見ると、特にClaesとAndersの着こなしのセンスは抜群で、グループのスマートなイメージに一役買っていたと思います。
そして、解散間近の67年、グラスデザイナーのMonica Bäckströmが、彼らの楽曲を彼女の個展のプロモーションに使用され、そのコラボを記念してシングルとそのビデオクリップが製作されたことからも伺えます。

a2065.jpg

この「Monica」のクリップは、67年8月20日にTV番組「Popside」でオンエア。
当時ならではのシュールで美しくかつ俗悪な、カラーで収録されなかったのが惜しまれるハイセンスな逸品です。
「Magical Mystery Tour」よりもちょっとだけ先に製作・公開されている事実は、1曲のみの短い作品とは言え驚かされてしまいます。
ちなみに、クリップにはさり気にメンバーも登場しています。


67年の解散後、Claesはソロで活動、3枚のアルバムを残しています。
メガネを外した彼はなかなかのイケメンで、それに加えてスマートなポップセンスでなかなか人気があったようですが、基本60年代スタイルから脱却できなかったようで、71年にはレコードのリリースは止まっています。

a2064.jpg

また、彼はTages・Slam Creepers'・Annaabee-Noxらに自作曲を提供しており、なかなかの売れっ子ソングライターだったようです。

Ola Brunkertは70年にジャズロックグループOpus IIIとブルース系のSlim's Blues Gangに参加、77年にはABBAのレコーディングやツアーに参加しています。
腕利きの彼は、セッションにももてはやされたようです。

RogerはRadio Swedenの英語放送のパーソナリティーや、NovemberやClaesのソロアルバムなどののプロデュースを行っています。
後に彼は、ストックホルムの王立工科大学でのマルチメディア学科の非常勤講師となり、現在は名誉教授となっているとのことです。

Andersは何と現在地元で政治家をやっているそうです。
60年代の段階で、その風格は既にあった…なんて言っちゃあいけないかな(笑







Science Poptionは、66~67年の間にシングル6枚・プロモーション用のワンサイド・シングル1枚と、オムニバスに1曲をリリースしています。
活動期間の短いグループとしては、わりと音源が残っている方ですし、業界やレーベルからの評価が高かったことをうかがわせます。

Science Poptionは、スウェーデンのグループに多い、ブリティッシュとアメリカンの影響が若干大きいカラッとしたポップ系のスタイルで、同じスウェーデンのJackpotsと近いサウンドですが、彼らの方が若干明快なムードでクセモノっぽさが強いです。
66年はアメリカンっぽいハーモニーポップ、67年に入ると独特のコケティッシュなサイケポップへ移行しています。

下記のCDの曲目のクレジットを見ると良くわかりますが、当初はRogerがメインでClaesがそれに乗っかっていたソングライティングが、1年もすると立場が逆転してClaesのソングライティングの才能が開花しています。
他のグループやシンガーに提供したオリジナルを聴いて思うのですが、Claesにはサイケ時代の空気が水に合っていたように思うし、せめてもう1年活動して欲しかったなと思いますね。

本国でも95年の3CDコンピレーション「Stora Popboxen」に3曲収録されただけで、当時のシングルもレアで、長い間まとめて聴くことができませんでしたが、13年に全音源を収録したコンプCDがリリースされました。

a2066.jpg
(左上から時計回りに)Björn・Anders・Ola・Roger・Claes


Same (スウェーデンAllatiders ATSPOPCD-101)`13

1.My Best Years(R.Wallis)
2.You're So Good To Me (B.Wilson)
3.Back In Town (R.Wallis-C.Dieden)
4.Nowhere Man (J.Lennon-P.McCartney)
5.Empty Message (R.Wallis-C.Dieden)
6.My Girl (S.Robinson-R.White)
7.In My Room (B.Wilson-G.Usher)
8.You've Got Me High (W.Barberis-R.Joyce)
9.Someone Will Come (Ö.Hamrin-S.Plowright)
10.I Would Never Do That (B.Peters)
11.Born A Mouse (C.Dieden-R.Wallis)
12.Buckingham Palace (H.F.Simpson-A.A.Milne Arr.Science Poption)
13.In My Life (J.Lennon-P.McCartney)
14.I Set A Fire (C.Dieden)
15.Lady Of Leisure (C.Dieden)
16.Monica (C.Dieden-R.Wallis)

1.…V.A./Package Of Sound(Radio Mistluren PRO 5001)`66 初出
2・3…Single Columbia DS 2301 `66
4・5…DS 2309 `66
6・7…Unreleased? `66
8・9…DS 2322 `66 
10・11…DS 2334 `66
12・13…DS 2347 `67
14・15…DS 2360 `67
16…Glasyra BODA `67 *one side single

13年春のRecord Store Day限定でリリースされたもので、以前記事にしたAnnaabee-NoxのCDと同じレーベルからのものです。
限定である上に、元々日本では余り知られていないグループなので、日本にはほとんど入荷されていないと思います。
どうやらレーベルにはもう在庫が無いようで、ショップ在庫のみとなっていますので、感心のある方はお急ぎ下さい。

1はオムニバスに収録されたRogerのオリジナルで、すでにそのスマートなポップセンスが炸裂しています。
このレーベル名でこのオムニバスしかリリースされていないことと、レコ番号からするとラジオ用のプロモ盤と思われ、この曲も長い間聴けなかったのではと。

2と3が66年のデビューシングルで、2はBeach Boysのストレートなカバー、3はRoger-Claes作のオリジナルで、サビに向かう直前の展開が面白い、一筋縄でいかないポップで演奏もかっこいいです。

4と5が同年の2ndシングルで、4は言うまでもなくBeatlesのカバー、5はRoger-Claes作のオリジナルで、オールディーズへのオマージュのようなキャッチーな素晴らしい曲で、Rogerのオルガンを中心に織り成す音空間にはゾクゾクさせられます。

6と7は詳しいデータが見つからなかったのですが、音質やプロダクションからしてシングル用に録音されてお蔵入りになったもののようです。
どちらもストレートなカバーで、インパクトに欠けると思ったのか、ほかの楽曲を採用したからなのかは不明ですが、いずれにしてもそういう印象のものです。

8と9は3rdシングルで、8はUSのNew Orderの66年のシングルのカバー、9は詳細が判明しませんでしたが、作家名からすると本国のソングライターから提供を受けたもののようです。
前者は当時のスウェーデンでよく見つけたなと思ってしまうマイナーな楽曲で、ファズギターをフューチャーした、彼らにしては比較的ワイルドなサウンドで、彼らのサイケ・サウンドの芽生えが垣間見えます。
取り立ててヒットしたという記録は見つかりませんでしたが、業界内での評価は高かったようで、のちに15とカップリングされたシングルがドイツでもリリースされています。
後者は出処不明ながら、なかなか彼ら合ったチョイスの楽曲で、彼ららしいスマートさとJackpotsのようなほの暗さがあって、個人的には8よりも好きかも知れません。

10と11は4thシングルで、10はUSのポップシンガーJimmy Boydの66年のシングルのカバーで、11はClaes-Roger作のオリジナル。
前者も8同様渋いチョイスで、たぶんそんなに有名な曲ではないと思いますが、僕が聴いてきた中でもかなりいい曲に入る部類で、初めて聴いた時、あまりの楽曲のよさに感動さえしました。
彼らの選曲センスのよさに感銘を受けてしまいますね。
11はClaesはメインで書かれた曲のようで、それまでのオリジナルと比べてねじれのようなものが感じられ、彼らがこの段階でアプローチに変化を見せていたのは特筆に価すると思います。
ポップな前半から、フリークビート手前な後半に流れるセンスが面白いです。

12と13は67年の5thシングルで、12はイギリスの1920年代の古い曲で、「くまのプーさん」の作者A.A.Milneの詩に曲をつけたもの、13はBeatlesのカバー。
前者はサイケなアプローチの一つのようで、イギリス人のRogerが持ち込んだものでしょうね。
当時としては面白いアイデアだったのかも知れませんが、正直、彼らにしてはスマートさに欠けるし、今聴くと古臭さが否めない印象です。
後者はストレートなカバーですが、ピアノをオルガンに置き換えているせいか、幾分しっとりとしたサウンドになっています。

14と15は67年の彼らのラストシングルで、両曲ともClaes単独のオリジナル。
両曲とのA面にできるほどの楽曲・演奏の完成度の高さを持つ、彼らのサウンドの集大成とも言える素晴らしいシングルで、当時売れなかったことを残念に思います。
14はコケティッシュなイントロから、一気にパーッと花開いていくようなキャッチーな逸品で、紛れもなく彼らの最高傑作だと思います。
15はとつとつとした1stヴァースから徐々にサビに向かって行く、ちょっとシュールなオルガンソロが面白い曲で、14よりは落ちるものの、それでもB面にするのはもったいないな。
両曲とも「Pet Sounds」「Good Vibrations」の影響下にあるように思うし、Beach Boysのヨーロッパでの人気の高さと、そのサウンドの高まりを受け入れる土壌があったことが垣間見れて非常に興味深いです。

16は、67年にグラスデザイナーのMonica Bäckströmとコラボした記念に販売されたワンサイドシングルで、同時にビデオクリップも制作されて、同年8月にTV番組「Popside」で放映されています。
基本プロモーションで製作されたものだが、一般に販売もされたようです。
ほとんどがディスクのみで販売されましたが、Monica本人お手製のグラスファイバー製のスリーヴつきのものがごく少数存在し、恐ろしいプレミアがついており、Science Poptionのコレクションコンプの最大の障壁となっています。

monika001.jpg

レコードのピクチャーレーベルやシールをあしらったグラスファイバー製のスリーヴに、プレーンな封筒型スリーヴ入りレコードを封入したもので、紙製でないスリーヴではかなり珍品の部類に入ると思います(笑

基本2フレーズの歌詞のようなものがあるだけの、美しくもアングラ臭の強いインストで、個人的にはけっこうインパクトがありました。
この曲のクリップを観たことがきっかけで、検索をかけた結果このCDの存在を知ったのです。
前半でも記述しましたが、ビデオクリップの完成度の高さはサイケファン必見です。
ちなみに、クリップで出演している女性は、歯並びが全然違っていたのでMonicaご本人ではないようです。

現在はEMIの音源がWarnerに移行しているので、今後リイシューしてくれることを願いたいものです。


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