あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
a379.jpg
Churchill's 1968:(L to R)Miki・Ami・Haim・Rob・Stan

今回はイスラエルのChurchill'sです。
このジャケットも見たことがある方も多いかと思います。

Churchill'sは65年にYtshak Klepter(G)・Haim Romano(G)・Michael(Miki) Gabriellov(B)・Ami Tribich(Ds)・Selvin Lifshitz(Vo)の5人で結成。
グループ名はYtshakのニックネーム「Churchill」と、デビュー前にギグのたびに変えていたグループ名の中の「Churchill's Hermits」(どのグループのもじりかは言うまでもありませんね)が由来で、デビューする際に単に「Churchill's」にしたとか。
「's」なのはその名残なんですね(笑
しかし、こんなニックネームをつけられたYtshak、はたして顔に似ていたのか、性格(チャーチルはイギリスでジョークのネタになるくらい毒舌だったそうです)が似ていたのかは謎ですが、どちらにしてもイヤだったろうな(笑

デビュー直前にそのYtshakとSelvinが兵役によって脱退、Ytshakはその後Stylesに参加します。
そして新たなボーカリストとしてカナダ人でR&BマニアだったStan Solomon(Vo)が加入。
StanはYtshakの代わりとして、TornadoesのギタリストだったRob Huxleyをメンバーに薦め、Robを加えた新たなラインナップになりました。

この英米の最先端のサウンドを理解した2人の加入によって、Churchill'sのサウンドは劇的に変化していきました。

そして68年にCBSからデビューを果たしました。

サイケデリック・ムーブメント真っ只中の68年にデビューした彼らは、サイケ・R&B・イスラエルのトラッドなどの要素が渾然一体となった超個性的な音楽性です。
有名なグループで例えると、Doorsかな?
でも、Doorsほど陰鬱な印象ではなくて、もっと暑苦しいです(笑
かと思えば、バッハの曲をアレンジしたものをシングルでリリースしたり、結構スタイルを捉えにくい面があります。
ちょっとジミヘンっぽい部分もあります。

69年にリリースされたChurchill's名義では唯一のアルバムは、イスラエル映画「A Woman's Cafe」のサントラをレコーディングしたものが、最終的に彼ら名義でのアルバムになったとか。

アルバムリリース後、ボーカルのStanが脱退、父親がやっている家業を手伝うために、そしてごく普通の生活に戻るためにカナダに帰国してしまいます。
リード・ボーカルを欠いた状態では活動もままならず、2代目ボーカルDannyが加入するまで、フォーク/ポップシンガーのライブ&レコーディングのバッキングを努めたりしていたそうです。

また、その時期にイスラエル交響楽団との共演という、まるでDeep Purpleみたいな仕事がきっかけでレコーディングされたのが、69年にリリースされたシングル「Churchill Sebastian Bach」で、先に述べたバッハの曲をアレンジしたものを楽団と演奏していたマテリアルのうち2曲をバンドのみの演奏で収録したものです。

そして70年、Robの要請によりLions Of Judahから、2代目ボーカリストとしてDanny Shoshanが加入。
DoorsっぽいボーカルスタイルだったStanに対して、DannyはLed Zeppelinっぽい高音シャウターだったため、Churchill'sはハードロック寄りのサウンドに変化していくことになります。

この新ラインナップで「She's A Woman」「Living Loving (Maid)」のカバーなどのシングルをリリース。

71年にイギリスに渡り、「Jericho Jones」とグループ名を変えて新天地で再スタート、Jericho名義を含めて2枚のアルバムをリリースしたものの、レコードの売れ行きは芳しくなかったようで、73年には活動を停止しています。






誰がチャーチルに似てますかね(笑

Churchill's/Jerico Jones '68-'71 (イスラエルHed Arzi 64360) (2CD)`03
このCDは、Churchill's/Jerico Jonesの音源を本国でリマスター復刻したもので、アルバム2枚・シングル・未発表バージョンなどが収録されています。

a26.jpg


ここではChurchill's名義のDisc1(Danny加入前まで)のみを紹介します。
バッハの15・16を除く全曲英詞のオリジナル曲です。
Disc2のDanny加入後&Jerico Jones時代はあんまり聴いていないので割愛します(汗
クレジット確認してないしね。

68年にデビューした彼らの最初のシングル(1・2)は、StanのR&B趣味が全開になったアトランティック・ソウル風味のサウンドで、アルバムでのダークなサイケちょっとハード(笑)なサウンドからするとほほえましいできばえです。
ちなみに、1はTornadoes時代にもレコーディング(ボーカル入り!)しています。

3は詳細不明ですが、これまたアトランティック・ソウル的で、ホーンがパラパラパッっと鳴って結構かっこいいです。
4は本来Dannyがボーカルの時期のシングルShe's A WomanのB面曲だったものですが、これはStan在籍時のオルタネイト・テイク。
シングル・バージョンは70年代的な明るいハーモニー・パワーポップ(何だそれ)的なサウンドですが、この68年バージョンは全くの別録音で、アルバム収録曲と共通のイメージのダークでサイケデリックな味付けで、同じ曲とは思えないほどの別物っぷりです。
この2年の間に何があったんだと思ってしまいますね(笑
個人的にはこの68年バージョンのアレンジの方が好みですね。
ってか、彼らの曲のベストテイクの一つと言えます。

5~14がアルバム収録曲で、いきなり暑苦しい「ハーイッ!」という叫び声で始まる、ゴリゴリのファズが耳に響く5、美しいメロディのフォーキーな7、Doorsっぽい曲想と浮遊感のあるSEがシュールな味わいの11あたりが聴きどころでしょうか。
そして、アルバムのラストを占める、自国のトラッドをベースにした12からテープの逆回転SEをバックにラップ的に歌う13、そしてその2つの要素が混在する14の3曲はおそらく組曲的な発想でレコーディングされているようで、これがプログレが好きな人にも人気のある理由でしょうね。

15・16が先に紹介したシングル(と言うより題名があるのでEPなのかな)「Churchill Sebastian Bach」収録曲で、成り行き的な要素の強い録音でありながらできばえはかなり良くて、実は僕もかなりお気に入りです(笑
特にスクエアなドラムをバックにオルガンとギターがメロディを奏で、荘厳なコーラスが妙にユダヤ的な16は一度聴いたら忘れられない魅力があります。

バッハのカバーの15&16以外は全てメンバーのオリジナルで、1はRob Huxley-Peter Holder作、2&3がStan Solomon作、4・9・12がRob Huxley作、10がStan Solomon-Miki Gabriellov作、6~8・11・13・14がStan Solomon-Rob Huxley作です。

このイスラエルHed Azri盤はまだ入手できると思います。
装丁も音質もいいし、分厚いライナーもついていますが、ご覧の通りヘブライ語なので全く読めません(笑

こりゃあ読めんわ(笑

余談ですが、このCDのDisc2は16曲表記になっていますが実は18曲入りで、実際は1~5まで表記どおり、6は謎のインスト(メロは日本で「ちょうちょ」で知られている曲)、7が「Wake Me Shake Me」8~17がアルバム「Junkies Monkeys & Donkeys」収録曲(「There Is Always A Train」の表記が欠落)、18が「Born In The Wrong Place」という編集になっています。
「Junkies Monkeys & Donkeys」をこのCDでしか聴いたことがない方は確認された方がいいかなと思います。

イスラエル盤はプレス枚数が多くなさそうですから、表記を修正して再プレスしてないんだろうなー。

あと、14曲入りのドイツ盤もあるみたいです。

ポップ寄りの方にはちょっときついかもしれませんが、ちょっとハードなサイケが好きなら楽しめると思います。

ちなみに僕はどっちかと言うとポップ寄りですが、この辺までなら充分いけます。



このページのトップへ

コメント

このページのトップへ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ

FC2Ad

Information

Graham
  • Author: Graham
  • 日本語での情報の少ない、60年代の東欧・北欧・中近東などのBeat/Psychを中心に紹介しています。
    翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
    この自画像は、漫画友達の「ゆったりの間」管理人さん冬灯紗沙さんに描いて頂いたもので、さり気に対になっていたりします。

    コメント記入時、ホムペ・ブログなどのアドレスを記入すると投稿できないようにしてありますのでご注意下さい。

Search

Calendar

08月 « 2017年09月 » 10月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

 

プロフィール

Graham

Author:Graham
日本語での情報の少ない、60年代の東欧・北欧・中近東などのBeat/Psychを中心に紹介しています。
翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
この自画像は、漫画友達の「ゆったりの間」管理人さん冬灯紗沙さんに描いて頂いたもので、さり気に対になっていたりします。

コメント記入時、ホムペ・ブログなどのアドレスを記入すると投稿できないようにしてありますのでご注意下さい。

FC2カウンター

最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

フリーエリア

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。