あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 


今回は、Gunnar Grapsが関わった2つのグループ、R&B系のビートグループMikronidと、後にソ連内でブレイクするMagnetic Bandにつながる、アート/ハード・ロック系のOrnamentを紹介します。

*Mikronid

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Mikronid 1968:(左上から時計回りに)Tiit・Peeter・Heiki・Toivo・Gunnar・Rein Härma

65年の秋、タリン第42高校の生徒だったPeeter Keäri(B)とToivo Tamm(G)の2人が、西側のラジオで聴いたビート・ミュージックを演奏するために、自分たちのグループの結成を考えたことが始まりでした。

ところが、彼らの学校では同志を見つけることができず、事は暗礁に乗り上げそうな気配でしたが、Peeterの家の隣人で、タリン第16高校に通っていたRein Härmaが加入。
そして2人も強引に第16高校へ転校したそうです(笑
第16高校では順調にメンバーが見つかったようで、すぐに2人の新メンバーが加入しました。
この高校には、OptimistidのギタリストToomas Kõrvitsの弟Tiit Kõrvits(G)、そしてAart Priimägi(Ds)が加入し、グループとしての体裁が整いました。

当初はこのラインナップでShadowsなどのインストを演奏していたそうですが、66年に同じ学校に通うHeiki Johannson(Vo)が加入し、ビート・グループの楽曲も演奏できるようになりました。
しかし67年、Aartが脱退、そしてそれを聞きつけたのか、家族の意向でOptimistidを脱退させられた、ToomasとTiitの弟Harry Kõrvits(Ds)が加入したものの、ほどなくして彼も脱退、 最終的にSatelliididでギターを弾いていたGunnar Graps(Ds.Vo)が加入。

68年4月、エストニア初のビート・フェスがタリンのKosmos Cinemaで開催され、彼らもVirmalised・Poppojad・Kristallidらと出演。
さらに同年秋に、Jüri Linaの手配によってエストニアン・ラジオで初のレコーディングを行い、「Üks Imelik Masin」「Sulle」などを収録。

70年、兵役のためGunnarが一時脱退(72年に復帰)。
72年にGunnarが復帰した頃は、ヴォーカル3人・ギター2人・ベース・タンバリン・キーボード2人・ドラムス2人の、計11人の大所帯になっていたそうで、その時期のキーボードの一人はSven Grünbergだったようです。*注

74年にはRein Vaik(Key)が加入、そして前年から掛け持ちしていたOrnamentに専念するためにGunnarが脱退。

その後も息の長い活動を続けたようで、正式に解散したのは85年ということですから、エストニアのビートグループでもっとも長命なグループだったようです。

*注:下記のOrnamentと情報が交錯している可能性あり


*Ornament

a2168.jpg

73年結成となっていますが、コヒラの文化センターのディレクターの支援を得て、プロジェクトの準備は72年からスタートしていたそうで、初期段階ではSven Grünberg(Key)が関わっていたそうですが、最終的に形にならなかったようで、73年にグループとして活動がスタートした段階では全く別のラインナップになっていたようです。*注

活動開始の段階でのメンバーは、Gunnar Graps(Vo.Ds)・Ilmar Soots(B)、そして初期のRujaに一時期在籍していた、サウスポーのギタリストAndres Põldroo(G)のトリオ編成でした。
74年にはIlmar(VirmalisedのPaavo Sootsの弟)が脱退し、Tõnu Tormis(B)が加入。
76年に解散し、GunnarはMagnetic Bandを結成し、大きな成功を収めました。

ちなみに、活動末期にはApelsinに参加するTõnu Aare(G)が、Andres脱退後にごく短期間参加していたそうです。

*注:本国でも情報が錯綜しているようで、ちょっと曖昧な記述にしています。
当時Ornamentのライヴを観た方々は、ステージでSvenを見たことがないと述べており、同時に彼は74年からMessの活動をスタートさせているので、少なくとも実際の活動期間中には参加していないものと思われます。






楽曲について

*Mikronid

1.Üks Imelik Masin(G.Graps) ①②⑤ `68
2.Sulle(H.Johanson-G.Graps-T.Kõrvits) ①②⑤ `68
3.Sügis[Throw Down A Line] ①③ `69
4.Beat ③
5.Väike Peeter(T.Kõrvits) ④ `67
6.I'm A King Bee ④ `67
7.Istun Aknal(G.Graps) ⑤ `74
8.Väike Saar(G.Graps) ⑤ `74
9.Kõik On Hea(G.Graps) ⑤ `74
10.Vesi Voolab(G.Graps) ⑤ `74

60年代のエストニアのグループとしては、比較的ワイルドなサウンドだと思います。
Gunnarを中心に書かれたオリジナルの出来も良いです。
74年の録音は、60年代よりソウルっぽい作風のものが多く、同時期に掛け持ちしていたOrnamentの楽曲とはスタイルを変えているのが興味深いです。

Virmalisedほどではないものの、他にも数多くの放送局録音とデモを残しています。


*Ornament

11.Rahatuvi(J.Üdi-A.Põldroo-G.Graps) ①⑤ `73
12.Pilved Kuuvalgel(W.G.Ridala-G.Graps) ①⑤ `73
13.Abielud Sõlmitakse Taevas(J.Kõrgema-G.Graps) ⑤
14.Tuhande Järve Taevas(H.Jürisson-G.Graps) ⑤
15.Mis Jääb Meist Maha(R. Rimmel-G.Graps) ⑤

Led ZeppelinやVanilla Fudgeの影響をモロに受けたアート/ハード・ロックで、トリオ編成としてはかなりうるさい音(笑
正直守備範囲外のサウンドですが、当時は英米でも否定的な意見も多かったZepのアコースティック・サイドも、きちんと取り入れて活かしているのはなかなかのものだと思います。
実質4年弱の短い活動期間ですが、けっこう人気があったようで、録音ももっと存在します。

それぞれの曲の後についた番号は、以下の5種のコンピに収録されているという意味です。

①Eesti Rocki Lapsepõlv 1966-1976
Eesti 60ndad
③Biit Piraadid
Biit Piraadid 2

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⑤Gunnar Graps (Hitivabrik ‎HFCD053)`02 [3CD]

Gunnar Grapsの、Mikronid~G.G.Gに至るキャリアを総括したアンソロジー。
Mikronid・Ornamentいずれも、これでしか聴くことができない曲があります。

ブックレットはありますが、録音年は相変わらず表記なし。
これも旧式の2枚組用のぶっといケース。
02年とけっこう前のリリースですが、本国ではまだ在庫があるようです。



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