あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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Los Knacks 1969:(LtoR)Charly・Mossy・Robbie・Chito・Vicente

17.7.17:ほぼ全編書き直し

さて、今回はアルゼンチンのLos Knacksです。
今回もまたスペイン語の資料しかなくて、あまり細かい事が分かりません(汗
M子さん、わしもスペイン語のことで電話してもええかのう(笑
と、本当にごくごく一部しか分からないネタを振りつつ、分かる範囲で紹介して
行きます(笑

64年、高校の友人同志だったOscar"Robbie" Paz (Ds)、Carlos"Charly"Castellani(G.Vo)によって、ブエノスアイレスで結成されたSnakesがその原点。
ほどなくしてKnacksと名乗るようになり、のちにArmando"Army"Aschenazy(G.Vo)・Fernando Ferreira(B)が加入、この4人編成で活動して行きました。

67年、アルゼンチンPhilipsでテスト録音(オーディション?)を行い、ほどなくして正式にシングルのレコーディング契約を結び、両面Beatlesのカヴァーのシングルをリリースしました。
PhillipsはKnacksをアルゼンチンのBeatlesとして売り込むつもりだったようで、続けてBeatlesのカヴァーのレコーディングを要求してきましたが、すでにオリジナル曲を書きためていた彼らはそれを拒否。
Oscarが数日間脱退したりいろいろ混乱があったのち、Phillipsとの契約を破棄。
シングルリリース後すぐに、Fernandoが脱退。
2か月ほどSeasonsのメンバーだったAlejandro Medinaが参加したのち、Eduardo "Mossy" Mikitow(B.Vo)・Vicente "Chito" Bulota(Key)が加入して、活動期間中最も安定したラインナップが編成されました。

このラインナップで、数々のTV番組の出演やツアーをこなし、Pop New'sというプログラムにおける契約を交わしました。
Pop New'sに関しては、調べても詳細がよくわからなかったのですが、のちにParlophoneからリリースされたシングルのレーベルに「Pop New's」と銘打ってあることからして、メディアやレーベルを超えたポップミュージックのプロジェクトのようです。
このプログラムの一環として40日もの間、ブエノスアイレスの南南東にある観光都市マール・デル・プラタで演奏したともあります。

ともあれ、そうした出演や演奏のおかげもあって、彼らの名は知れ渡るようになって、Knacks Maniaと呼ばれたファンも生まれました。

knacks002.jpg

ブエノスアイレスに戻った彼らは、プログラムの成果に気をよくしたParlophoneとの契約を得ました。
Knacksの人気を高く見込んだParlophoneは、69年だけで3枚シングルをリリースしました。

Parlophoneから最初のシングルがリリースされた69年、Armyが脱退しVicente Iturria(G.Vo)に交代。

70年にリリースされたシングル1枚を加えた8曲の録音をもとに、彼らのLPのリリースが計画されて、いくつかの新録を含んだアルバム用のステレオ・ミックスも制作されましたが、Juan Carlos Onganíaの軍事政権の弾圧によって、英語で歌われた楽曲のリリースを禁止されたため延期になり、結果的にお蔵入りになってしまいました。

軍事政権の弾圧に震え上がったParlophoneは、Knacksにスペイン語詞の楽曲のシングルのレコーディングを要求しました。
彼らはスペイン語で歌うことに不満だったそうですが、やむなく了承しました。

そのシングルのレコーディングが決まった頃、MossyとChitoが脱退。
Miguel"Angel" Torrecíllas(B.Vo)とJuan José Gimelló(Vo)が加入した最終ラインナップで、71年にそのシングルのレコーディングを行いました。
リリースされたシングルは好評で、TVのジングルに使用されましたが、Robbieはスペイン語でのレコーディングを続けることを拒み、グループは解散しました。

10年に、ほぼ69年当時のラインナップで再結成。
13年にアルバム「Laso Stand」をリリースしています。





knacks005.jpg

Knacksはデビュー時期が67年と言うのもありますが、Shakers・Mockersなどの優れた先輩グループの活躍を見てきているだけあって、南米のグループとしてはシャープな演奏と優れたソングライティング能力を併せ持っています。
活動期間が67~71年と言う時期なので、サイケ・フリークビート的な要素を期待してしまいますが、全体的にはサイケ度はさほどでもなく、フリーク一歩手前くらいの感じです。
イギリスで言えば66年くらい、ラスト・シングルが67年あたりって感じでしょうか?
Beatles・Kinks・DC5・Holliesあたりがお気に入りだったそうですが、彼らのオリジナル曲はBeatlesよりはRolling Stonesに近い、さらに言うとLos Mockersっぽいスタイルです。

割と荒っぽい演奏なんですが、全体的に漂うメランコリックで切ない空気が、彼らの独特の魅力で、そこもMockersと近いかもしれません。

彼らは、67~71年の間にシングル6枚・全12曲を残しています。
そして70年にアルバム用に8曲程レコーディングしていますが、前述のとおり当時はお蔵入りになっています。
シングルのマスターは、アルバム用のステレオマスターを作った時に流用したのか現存しないようですが、そのアルバム用のステレオマスターが近年になって倉庫から発見され、これが近年のリイシューの音源となっています。

あと、67年に4曲のデモも残されており、現存するのは全24曲です。

クレジット表記なしは全てC.Castellani-O.Paz作

Singles

1.Madera Noruega
[Norwegian Wood]*(J.Lennon-P.Mccartney)
2.Submarino Amarillo
[Yellow Submarine]*(J.Lennon-P.Mccartney) [Phillips 83233]`67
3.Carta Al Amigo Perdido
[Good Luck,Good Friend,Goodbye]*(C.Castellani)
4.Algas y Veneno
[Seaweeds & Poison]* [Parlophone 1136]`69
5.Abuelo Klein
[Grandfather Klein]
6.Tengo Miedo De Estar Enamorado
[I'm Afraid To Be In Love](C.Castellani) [1163]`69
7.Si, Quiero Vivir
[Yes,I Want To Live]
8.Te Extrañare
[I'll Miss You] [1186]`69
9.Escuchen Payasos, Yo Amo
[Listen To Clowns,I Love](C.Castellani)
10.Me Siento Mal Y Deprimido
[I Feel So Bad Down] [1251]`70
11.Niña Azul*(O.Paz)
12.René *(M.A.Torrecíllas)[?]`71

Unreleased Album's tracks

13.El Amor Viene Y Va
[Love Comes And Gone]
14.Tírenme Con Todo Lo Que Tengan
[Throw Me With All You Got](A.Aschenazy)
15.Déjame En El Pasado
[Leave Me In The Past]
16.Mama Bruja
[Witch Mother]
17.Después De Un Día De Trabajo
[After A Day's Work](O.Paz)
18.No Tengo Ojos Para Tu Amor
[Got No Eyes For Your Love](A.Aschenazy)
19.Deja Soñar Al Muchacho Que Te Ama
[Let Dream The Boy Who Wants You]
20.El Curioso Mundo de Lady Christian  
[The Curious World Of Lady Christian](O.Paz)

Demo Tracks

21.Despues De Un Dia De Trabajo[Original Ver]
22.No Podre Soportar Mucho Tiempo Mas (A.Medina-C.Mellino)Seasons
23.Can't Buy Me Love (J.Lennon-P.Mccartney)
24.Hurting Inside (D.Clark-M.Smith)

1&2がPhillipsからの67年デビューシングルで、言わずもがなBeatlesのカヴァーです。
基本的にストレートカバーなのでつまんないですが、南米のグループのカヴァーとしては、オリジナルマスターにヴォーカルを被せたのかと瞬間思ってしまうくらい、忠実にカヴァーされていることは特筆すべきことです。

3&4、5&6、7&8がParlophoneからの69年のシングルで、全てメンバーのオリジナル曲です。
デビューシングルでBeatlesのカヴァーをしたわりには、3以外はR&B寄りのサウンドです。
5は「19th Nervous Breakdown」を警戒にしたような曲で、オルガンプレイがもろLos Mockersです(笑
7は後年あんなに嫌がっていたにも関わらずスペイン語で歌われた曲で、2年前にすでに歌ってるじゃんと突っ込みたくなりますね(笑
突っ走り系の8は圧倒的に完成度が高く、機材が追い付いていればフリークビートの名曲の一つになりえたかも。

9&10は70年のシングルで、前年と同じ傾向の音です。

11&12は71年のラストシングルで、2曲ともスペイン語の語感が似合う、ほんのりサイケな空気を持ったなかなか味わい深いできばえで、特に末期メンバーのMiguel"Angel" Torrecíllas作の12はメランコリックで美しい逸品。
オリジナルマスターが現存していないのが本当に残念です。

13~20が当時リリース予定だったアルバム用のレコーディングからのもので、これも全てオリジナル曲です。
70年の曲はどれもいい曲ばかりですが、特筆すべきは個人的に彼らの最高傑作14で、シャープで荒っぽい曲調なのに、切実感のあるヴォーカルに胸を打たれる逸品です。
同系統の15や17も、メランコリックでありながらシャープなプレイでかっこいいです。
17は先に述べたとおり21の再録音なんですが、再録音バージョンはダメと言うセオリーをひっくり返す完成度で、アレンジもこちらの方がはるかにいいです。
そんな中、19や20(こっちはインスト)のような甘いトーンの曲があって、この2曲だけ妙に浮いた印象があります。

knacks003.jpg

21~24が当時制作されたデモ音源で、21は70年にアルバムバージョン(17)として再録音されます。
アルバムバージョンよりもスピードが速くて、粗削りというよりいなたい印象です。
22は67年の一時期在籍したAlejandro Medinaが、Seasons時代に書いた曲。
24はDC5の意外な選曲のカバーですが、彼らがカバーした数曲の中では一番いい感じかな?



これら24曲は、全て以下のCDで聴くことができます。

knacks004.jpg

Anthology [NMV 004]`06

7インチサイズのハードカバーの見開きジャケットで、
内側の左にライナーが貼り付けてあり、右側にCDをはめ込む体裁になっています。
正直邪魔くさい体裁にしてくれたもんだと思っています(笑
何でこういうデザインにしたのかと思わずにはいられないジャケも微妙です(笑
オマケに、なぜかロゴだけエンボス&ラメ散らし&コーティング加工されていて、むやみに豪華です(笑

前述のアルバム用のステレオマスターと、それ以外のシングルの盤起し音源、そしてデモ4曲と、彼らの残した音源のすべてが収録されています。
ステレオマスターの発掘のおかげで、収録されたシングル曲も6曲と判明し、全14曲収録予定だったことが分かりますが、予定された曲順は不明です。

このCD、06年にリリースされて、わりとすぐに入手しづらくなっていたのですが、2010年以後に再プレスされたようで、まだ新品で入手できるみたいです。
ただ、よくディスクの再生面にボンドかなんかが引っ付いてしまっていて、その部分が再生できない盤もあるそうなので、状態の良い中古があればそっちの方が安心かもしれません。
南米盤は大雑把ですからね(汗


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コメント

いいですよ★笑
ゆうて辞書で調べた単語と簡単な文法しか教えることができませんがw
スペイン語の歌とか聞いてみたいですー(´∀`)
チェックしてみようかしら♪

  • 2008/10/11(土) 07:24:18 |
  • URL |
  • M子 #ZyqPIeBg
  • [編集]

あ、OKがきた(笑
早速のリアクションありがとうございます♪
さすがM子さんだ、サイコー(笑
スペイン語はですね、ロックの解説文なら斜め読みくらいは何とかなるんですが、やはり勉強してないと読みきれませんね(笑

>スペイン語の曲
You Tubeで「Los Brincos」「Los salvajes」あたりを検索してみてください。
この2バンドは聞き取りやすいんじゃないかと思います。
Los salvajesの「fuera de mi corazon」のモノクロのクリップは違う意味で参考になると思います(笑
宴会の余興に、カラオケでのアクションに(笑

どうしてこう暑苦しくするかねと思わずにはいられないクリップです(笑
曲はかっこいいけどね。

  • 2008/10/11(土) 10:33:20 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]

どうもご無沙汰してます!
遅ればせながらブログ名変更、お疲れさまでした!
またもや和歌からのタイトルで渋いっすv-218

今私もアルゼンチンに注目してるんですけれど
60年代バンドじゃなくて最近のバンド経由でアルゼンチンに注目してるんです(^^ゞ
アルゼンチン人がフロントマンの60sオマージュ的UKバンドに夢中で
アルゼンチン独特の哀愁っぽさがイイなぁ、なんて。

ところでなんで南米のバンドって名前のアタマに「Los」っていうのが付くんでしょうかね(^^ゞ
英語でいうところの「The」と同じようなもんなんでしょかね。

  • 2008/11/01(土) 12:26:22 |
  • URL |
  • もりたん #ZA9zVw0U
  • [編集]

もりたんさん、おはようございます。
パソのキーボードが不調だそうで大変ですね。

もりたんさんは現在のグループも結構聴いているみたいですね。
僕は現在のぬけの良すぎる音質になじめなくなってしまっているので、あまり手を出さずにいたりします。

アルゼンチンは情熱とメランコリックさを兼ね備えた音楽性を感じますね。
国民性なのかもしれませんね。

>Los
その通りでございます(笑
フランスだと「Les」、イタリアは「I」「Le」、ポルトガルは「Os」、中国は「公子」です(笑

  • 2008/11/03(月) 06:34:11 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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