あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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いやはや、この記事をまとめるのに2週間近くかかってしまいました(汗
疲れてるからか眠いのなんのって・・・。

さて、今回はアイスランドのThor's Hammerです。
トランスワールドものが好きな方には割と知られていますね。

Thor's Hammerは本来はHljómar(The Chordsみたいな意味だそう)というグルー
プ名で、アイスランド最西端の都市Keflavik(ケフラヴィーク)出身です。
基本メンバーは
Gunnar Þórðarson(G.Vo)
Rúnar Júlíusson(B.Vo)
Erlingur Björnsson(G.Vo)
Engilbert Jensen(Ds)
の4人で、65年に本国のレーベルからデビューしています。
写真を見ると、ちょっとあか抜けない田舎の悪ガキっぽいですね(笑

本国でシングル・EPを各一枚リリースした後、66年にEngilbertが脱退してPétur
Östlundが加入。
このメンバーでUKパーロフォンで2枚のシングルと「Umbarumbamba」というヘン
なタイトルのEPをレコーディング。
このパーロフォン録音時につけられたのが「Thor's Hammer」という、言ってみれば
輸出用のグループ名だそうで(笑

この録音後Péturがあっけなく脱退、Engilbertが復帰。
67年にアメリカに出向いて、コロンビアレーベルでジョン・サイモンのプロデュースでシ
ングルをリリースし、本国で1stアルバムをリリース。

68年に女性ヴォーカリストShady Owensが加入、この5人編成で2ndアルバム制作。
69年に解散、Gunnar・Rúnar・Shadyの3人に2人のメンバーを入れて Trúbrotに
移行していきました。

音楽的には、66年まではUKで言えばビート期のHolliesに近いかな。
基本的にハーモニーを活かしたイキのいいビートサウンドで、ガレージファンに人気の
荒っぽいファズものは実は「Umbarumbamba」収録の4曲だけだったりします。

個人的にはこれ以後のサイケ時代のふくよかな音楽性のほうが魅力を感じますね。
66年までにもそういう気配を感じさせる曲はあるのですが、ジャズ的な要素がほんの
りあって、UKUSにはない独特の陰影を感じさせてくれます。

基本的にGunnarを中心に書かれたオリジナルがほとんどで、楽曲の完成度は高いし
演奏もうまいです。
特に66年からの録音は楽曲・演奏共に格段に進歩しています。

67年の1stはともかく、68年にShadyを加入させての2ndはほとんど知られていない
ようで、実は僕もこれを書くのにググってて偶然知りました(笑
1st&2ndアルバムは、90年代に本国でCD化されていたみたいですが、現在では超
入手困難で、Shady加入後の2ndの曲はまったく聴くことが出来ない状況です。

またリイシューしてもらいたいものです。


現在、彼らの曲をガッツリ聴けるCDはこの1枚だけです。

a62.jpg

From Keflavik With Love (UK Ace CDWIKD 206) 01年

これがリイシューされてから、もう8年も経つのか!
これだけ年数が経っても入手ができるというのは素晴らしいですね。

全20曲で、シングル・EP・1stアルバムから、そして当時未発表だったもので88年に
リイシューされた曲から選曲されています。

10がデビューシングル、11・13・14・15が1stEPからの65年録音で、歌詞はアイスラ
ンド語です。
この5曲のタイトルの英訳をあげておきます。
10、First Kiss
11、If She's Close To Me
13、Memories Of You
14、Will You Follow
15、Evening In Keflavik

アイスランド語はスウェーデン・ノルウェー・デンマーク語の古語的な存在で、語学的
に英語との関連も深いのですが、われら日本人にはなじみも薄く、ネイティブ並みに
発音するのは不可能と言われるくらい難解だそうです。
さっぱり読めませんが、10と13は何となく「そう言われてみれば」みたいな感じです
ね(笑

この5曲は楽曲・演奏共にまだ青臭さがありますが、15のフィーリングは後期への進
化をほのめかしています。

8&9・1&6のシングル、2・3・5・7が「Umbarumbamba」、4はEP録音時の未発表曲
で、66年のUKパーロフォン録音の全てです。
1は14を英詞にして再録音したもので、こっちの方が出来がいいですね。
ガレージファンに2・3・5・7は、ファズをバリバリにかけたフリークビート的なサウンドで、
この時期では最も完成度が高く、特に2・3の楽曲・ファズの使い方は絶妙で、彼らの
センスのよさを垣間見ることが出来ます。
当時未発表だった4は、同時期に録音されたファズった4曲と違って、ジャジーな空気
を持ったフォークロックで、北欧好きにはたまらない素晴らしい曲で、お蔵入りさせる
のはもったいなかったのではと思います。

12&16のシングル、同セッションで録音した4のリレコ版17、18~20が1stアルバム
から、以上が67年の曲です。
ジョン・サイモンプロデュースの12・16・17は、ホーンセクションをバックにしたタイトな
演奏で、さすがのできばえです。
特に16は、先ほど述べた独特の「陰影を感じさせる」曲の一つで、タイトなのにメランコ
リックなのが不思議な素晴らしい曲で、個人的にベストの一つです。

18~20の1stからの曲はまたもやアイスランド語で、英語だと以下のようになります。
18、Now Hear This
19、You&I
20、Midsummer Night
20はスウェーデン語などの他のノルド語とほとんど同じ綴りなので、多分「ミッドソンマ
ル・ノット」と読むんだと思います。
ノベルティ・ソングをサイケにしたような前半から一気にメランコリックに展開する18、夜
の海の波間を漂うような、非常に美しい19、オルガンの音色が印象的な、ポップなが
らわりととつとつと歌われる20と、1stの他の曲が聴きたくてたまらなくなる完成度の
高さ!

67年の曲は基本的にどれも完成度が高く、聴き飽きませんね。

それだけに20曲で53分なら、他の1stの曲や現在CDで聴くことの出来ない2ndの曲
を入れて欲しかったなと思ってしまいます。

コンプリートなリイシューを果てしなくキボンヌ(笑


ちなみにベースのRúnarは、去年の5月に63歳で亡くなったそうです。
最初の画像でチェックのジャケットを着ているのがRúnarですが、すごいやんちゃそう
なルックスで、本国では「ミスター・ロック」と呼ばれていたそうです。

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  • Author: Graham
  • 日本語での情報の少ない、60年代の東欧・北欧・中近東などのBeat/Psychを中心に紹介しています。
    翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
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