あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
a72.jpg


10.6.2:ちょっと追記


いつもながらの久々更新です。
毎日のように見に来てくださっている数名の方、ごめんなさい。
そしてありがとうございます。

さて、久々にモエモエ・・・キュ~ン(笑)な東欧グループのブツが手に入りまし
た。
北欧ものが一段落しましたし、いいタイミングで東欧ものが色々手に入りそうで
すので、ここを充実させていけたらなと思っています。

今回はルーマニアのPhoenixです。
Phoenixというと、プログレ系としてその筋では知られているグループです。
活動開始は62年、ルーマニアの副都心ティミショアラでリーダーのNicolae Covaci(G.Vo)を中心に結成されたSfintii(Saints)が原点で、65年ごろからPhoenixと名乗るようになったようです。
数回のメンバーチェンジを経て68年に1stEP「Vremuri」を国営レーベルElectrecordからリリース。
68年当時のメンバーはNicolae・Florin (Moni) Bordeianu(Vo)・ Claudiu Rotariu・Kamocsa (Kamo) Béla(B)・Günther (Spitzly) Reininger(Key)・Dorel Vintilă Zaharia(Ds)の5人編成。
「Vremuri」レコーディング時、Dorelが兵役に出ていたため、MondialのドラマーFlorin Dumitruがヘルプで参加しています。
ダークなプログレで知られる彼らですが、この頃は割りと素朴なビート/サイケ系のサウンドでした。
UK/USを基本に考えると65~66年位の雰囲気でしょうか?
続けて69年、2ndEP「Floarea stîncilor」をリリース。
1stEPは4曲中2曲はカバーでしたが、今回は4曲全てメンバーのオリジナル曲で、サイケの要素を取り込んでおり、楽曲・演奏共に格段に成長しています。

また、彼らは69年に映画「Canarul şi viscolul」(The Canary and the Snowstorm)の主題歌として、68年の1stEPに収録されている「Canarul」が冒頭のシーンで流され、またそのシーンで彼ら自身も登場しています。
ちなみに、この映画バージョンの「Canarul」はEPバージョンと全くの別録音で、おそらく映画用に改めてレコーディングされたもののようです。

この後、いくつかのマテリアルをデモレコーディングしたようですが、1stアルバムをリリースしたのは72年で、70~72年の間での激しいメンバーチェンジの末、オリジナルメンバーはNicolae一人になってしまったことと、時代の変化のためもはや全くの別グループと言ってもいいくらい音楽性が変化しています。

その著しいスタイルの変化とメンバーチェンジのきっかけになったのが、70年のMoniの脱退でした。
70年のコンサートで、彼が当局の検閲に対する抗議のスピーチを行ったそうで、おそらく当局からの圧力がかかったのでしょう、彼はアメリカに亡命してしまいました。
そしてそれは、初期Phoenixの終焉を意味していました。

この事件によってPhoenixは当局からにらまれるようになり、その目をそらすためにNicu以外のメンバーを一新して、演奏スタイルもすっかり変えて活動していくことになりました。

さらにPhoenixのメンバーは、70年代後半にチャウシェスク流文化大革命の圧力から逃れるため、ルーマニアからドイツに亡命。
なんとツアーに来た西側のグループの機材のスピーカーキャビネットに隠れての出国だったそうで、当時の共産国からの出国がいかに大変だったかを物語っていますね。

70年以後の、「プログレ期」の活動に関しては他に詳しいところがあると思いますので、そちらを参照くださればと思います。


一般的に知られている70年代のPhoenixからすると、60年代の音源はかなり素朴な印象ですが、楽曲の完成度は高く、やはり当時の特別な空気を持ち合わせていて、60年代ビート/サイケファンにはたまらない魅力があります。



今回紹介するCDは、彼らの60年代のEPと未発表曲を集めた編集盤です。

a73.jpg

Vremuri Anii 60・・・(ルーマニアElectrecord EDC257)

プログレ期以前の60年代の音源をまとめた編集盤で、ビート/サイケ派にはこれ1枚で十分だと思います。
一時入手が難しかったのですが、最近リマスターされてデジパック仕様で発売しなおされています。

全曲メンバーのオリジナル曲で、1&5が68年の1stEP「Vremuri」から(残りの2曲は「Lady Madonna」「Friday On My Mind」のカバー)、2・3・4・6が69年の2ndEP、残りが当時の未発表曲です。
EPの曲は、UKで言えば65~67年くらいのサウンドに近く、ポップな1、初期のHolliesみたいないきのいいビートの2、ほんのりサイケ色の3~5、当時の共産圏の空気を感じさせるドラマティックな6と、聴き所多しです。
7曲目以降の未発表曲も、ボツにするにはもったいない曲が多く、フリークビート的な8~10などEPで出せばよかったのにと思います。
ラストの13は、70年代のプログレ時代に向かった音楽性で、プログレ時代のファンにも興味深いマテリアルだと思います。
ティミショアラの教会の地下でレコーディングされたと言う未発表曲はマスターの状態が良くなかったみたいで音質が今ひとつですが、良くぞ収録してくれました!という感じです。
でも、どうせなら前記のEPのカバー曲も収録してくれれば良かったのになとは思いますね。
収録時間も余りまくってるしね。

ま、このカバー2曲、出来がいいかと言えば正直微妙なんですが(笑

(追記)
ようつべを見てて偶然発見したのですが、初期のラインラップで69年に「Culegatorul de melci」という曲もレコーディングしているようです。
作曲クレジットなどは不明ですが、フルートが印象的な穏やかなトーンの佳曲で、おそらく彼らのオリジナル曲だと思います。

こういうマテリアルをきちんとまとめてリマスターし直して欲しいものですね。


ルーマニア盤は音質・パッケージング共にまだ前時代的ですね。
リマスター仕様の方も聴いてみたのですが、正直あんまり変わってないような(笑


次回も東欧のグループの予定です。


このページのトップへ

コメント

このページのトップへ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ

FC2Ad

Information

Graham
  • Author: Graham
  • 日本語での情報の少ない、60年代の東欧・北欧・中近東などのBeat/Psychを中心に紹介しています。
    翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
    この自画像は、漫画友達の「ゆったりの間」管理人さん冬灯紗沙さんに描いて頂いたもので、さり気に対になっていたりします。

    コメント記入時、ホムペ・ブログなどのアドレスを記入すると投稿できないようにしてありますのでご注意下さい。

Search

Calendar

04月 « 2017年05月 » 06月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

 

プロフィール

Graham

Author:Graham
日本語での情報の少ない、60年代の東欧・北欧・中近東などのBeat/Psychを中心に紹介しています。
翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
この自画像は、漫画友達の「ゆったりの間」管理人さん冬灯紗沙さんに描いて頂いたもので、さり気に対になっていたりします。

コメント記入時、ホムペ・ブログなどのアドレスを記入すると投稿できないようにしてありますのでご注意下さい。

FC2カウンター

最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

フリーエリア

月別アーカイブ

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。