あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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さて、今回は少し趣向を変えて、旧チェコスロバキア時代の3つの国営レーベルについて。

ここ数ヶ月、CDを買ったりググってみたりで色々分かったことがありました。
とはいうものの、ここはCDを紹介するのを旨としていますので、レコード自体の云々は基本的に割愛させていただき、いわゆる豆知識みたいな感じで♪

第2次大戦後から89年のビロード革命までの旧チェコスロバキア時代、基本的にこの国でのレコードのリリースはSupraphon・Panton・Opusの3つの国営レーベルでまかなわれていました。
2次大戦後は鉄のカーテンにさえぎられてしまったものの、昔からスメタナ・ドヴォルザークなどの名作曲家を輩出している音楽大国で、共産化以後も音楽には力を入れていたようです。

チェコのレーベルで最も知られているのがSupraphon。
このブランドが立ち上がったのは戦前の1932年だそうで、当初はレコードプレイヤーを製作・販売していたようです。
30年代から40年代にかけて、クラシックのレコードを製作、輸出・音源のディストリビュートもしていたので、クラシックの好きな方には馴染みのあるレーベルの一つみたいですね。
Matadorsの記事を書いた時にレーベルロゴがお気に入りだと書きましたが、このクラシカルなたたずまいのデザインは、それなりの歴史も背負ってきているわけですね。

そして戦後、共産化と共に国営化。
時代が進むにつれて、クラシックだけでなくジャズ・ポップ・ロック・フォークなどさまざまなジャンルのレコードをリリースしています。
これまたMatadorsの記事で書きましたが、基本的にLPは国内は汎用ジャケットで、海外輸出用には一般的なジャケット付でリリースされていました。

a98.jpg

これが汎用ジャケットです。
基本デザインは全てこれで、中に入っているレコードのアーティスト名が書かれているだけの非常に簡素なものです。
でも、これまた妙にクラシカルな印象で、これはこれで雰囲気がありますね。



67年くらいまでは全てこのSupraphonからリリースされていましたが、この年に新レーベルPantonを設立。

ぱん、とん♪ぱん、とん♪(意味なし

58年に設立された音楽出版部門が元になっているそうです。
何でもチェコスロバキア音楽基金からの出資での設立だそうで、現在までに残されたカタログからはSupraphonとの差別化が感じられないのですが、共産国でわざわざ別レーベルを立ち上げたということは、当時は何らかの特別な意志があったんでしょうね。

ポップ&ロック以外はよくわかりませんが、68年・69年のリリースを見ると有望な若いミュージシャンを拾い上げたかったんじゃないかと思われます。
当時は「プラハの春」時代、自由を望む気風を象徴する若い才能を育てるために、国自体も意欲的だったのでしょうか?

レーベルロゴはSupraphonよりもモダンな印象ですが、レーベル自体はかなりフツーになってしまってますね。
このそっけないレーベルを見て、最初はSupraphonの廉価レーベルなのかなと思っていましたが、調べれば調べるほど謎は深まるばかりです(笑


そして71年、更に上記の音楽基金の出資でスロバキア系レーベルOpusを設立。
SupraphonやPantonと同じく海外のアーティストの作品もリリースしていましたが、基本的にはスロバキア系のミュージシャンでしめられています。

おーぱす?おーぷす?

Opusの設立は、もともと別の国であったチェコとスロバキアの民族間の軋轢や政治的な意図を感じさせますね。
このレーベルのおかげで、現在チェコ系とスロバキア系のミュージシャンの判別がしやすくなっているのも妙に印象的です。
旧東欧諸国で3つ以上のレーベルを持っていたのは旧チェコスロバキアと、共産国でありながら旧ソ連と距離を保っていて、そして複雑な多民族国家だった旧ユーゴスラヴィアなのも興味深いです。


で、89年のビロード革命、そしてチェコとスロバキアの分離後、SupraphonはSony/Bontonに買収されるのですが、3つのレーベルをまたいだスロバキア系のミュージシャンの音源が、現在は全てOpusでリリースされていたりと、この3つのレーベルがどういう形で分離して行ったのかはややこしすぎてよくわかりません(汗

ともあれ、Sony/Bonton買収後にリリースされたCDは、西欧に負けないレベルの音質&パッケージングがなされており、あっぱれと言わなければなりますまい(笑

あとは入手がしやすければ言うこと無しなんですが(笑


なお、90年代まではBontonで一括してリイシューされていたみたいですが、現在ではチェコではSupraphon(Panton含む)、スロバキアではOpusと、かつてのレーベルを復活させているみたいです。

個人的にはSpuraphonのロゴがよみがえったのはうれしい限りです。

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コメント

いやぁ、これまた凄いエントリーがきましたね(笑)

クラシックのレコは旧チェコスロバキアの盤を確かによく見ますね。ジャケもキレイなコーティングなんかされているので、ロック購買者の悪い癖でついつい高級感を感じてしまうという…(爆)
他でも東ドイツやソ連、それに北朝鮮など、共産圏は音楽教育にも熱心な国が多かったみたいですね。

しかしソニー系が買収するとは…しかもちゃんとかの国に出向いてマスターを見つけてきて音質も改善させたなんてなると、確かにアッパレですね(笑)

  • 2009/07/14(火) 02:37:06 |
  • URL |
  • いたち野郎 #ZpAXj7wg
  • [編集]

いたち野郎さん、おはようございます。

いやー、ちょっと気取ってみました(照

東ドイツは西ドイツへの対抗意識が強かったそうで、Amigaでのレコーディングはなかなかにこだわりを感じさせます。
ま、その割には車はトラバントを89年まで作っていたみたいですが(笑

旧チェコのレコーディング機材は不明ですが、リマスターされた音源を聴くと、おそらく65年くらいまでは2~3トラック、68年前後は4トラックではないかと。
マスタリング技術はかなりのもので、ステレオミックスも僕が酷評するところの「Rubber Soul」ミックス(笑)ではなく、丁寧に配分されていて聴きやすいです。

国営なのが幸いして、マスターが厳重に保管されていたんでしょうね、リマスタリングのしがいがあったのではないでしょうか?

  • 2009/07/14(火) 10:38:37 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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