あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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ブルガリアン・ビートルズ
Shturcite 1968:(L to R)Veselin・Petar Gyuzelev・Kiril・Petar Tsankov)


12.12.23:ほぼ全面的に書き直し

さて、今回はブルガリアのヨーグル…いやグループЩурците(Shturcite)です(笑
ブルガリア語はロシア語と同じキリル文字を使用しますが、ここでは読みやすいように最初だけキリル文字とアルファベットの両方で表記して、以後はアルファベット表記で書いていきます。

63年に結成された、ブルガリア初のグループの一つだと言われているБъндараците[Bundaracite]のメンバー、Кирил Маричков[Kiril Marichkov] (Vo.B.Key)とПетър Цанков[Petar Tsankov](Ds)と、彼らが観に行ったライヴで知り合ったСлънчевите братя[Sluntsevite Bratya]のメンバー、Петър Гюзелев[Petar Gyuzelev](G.Vo)とВеселин Кисьов[Veselin Kisyov](G)が意気投合したことで、67年に結成されたのがShturcite(Crikets)でした。

Beatles・Stones・Kinksなどのカバーと、ごくわずかのオリジナルをレパートリーにライヴをこなし、瞬く間にソフィアで最も人気のあるグループになって行ったようです。

同年、ブルガリアの有名なコンテスト「Златния Орфей[Golden Orpheus]」に出演、Борис Карадимчев( Boris Karadimchev)のバックとして演奏した「Бяла тишина[Byala Tishina]」がというコンテストで優勝、それによって注目された彼らは国営レーベルValkantonでのレコーディングのチャンスを得ました。

68年に4曲入りの1stEPをリリース。
当時、ブルガリアではポップミュージックを含めた西側文化への締め付けを行っている真っ只中だったのもあってか、4曲ともオリジナルではなく国家の要望を満たした楽曲をあてがわれたようで、かなり甘口でポップな仕上がりでしたが、当時レコードをリリースできた自国のグループはほとんどいなかったのもあって、当時のファンには思い出深い楽曲のようです。

69年にVeselinが脱退、Константин Атанасов[Konstantin Atanasov](G.vo)が加入、この新ラインナップで2ndEPをリリース。
このEPでは1曲だけとは言えKiril作のオリジナルが採用され、CreamとKinksのカバーなども収録された、1stEPよりもロック的な内容になっています。

a423.jpg
Shturcite 1969:(左上から時計回りに)Kiril・Petar Gyuzelev・Konstantin・Petar Tsankov)

他にもTVやラジオ用にレコーディングされた音源が残っており、これらはクレジットなどは全く不明ですが、公式にレコードでリリースされた曲よりも魅力的な曲も多く含まれていて、全容をまとめたりリースが望まれるところです。

60年代のShturtziteは、ややフォークロック的で素朴なビートポップという感じで、そのポップなサウンドから浮き出るようなKirilの太いベースラインが印象的です。

その後、共産圏ではよくあったことですが当時の政府からの圧力を受け、71年ごろに活動停止を余儀なくされてしまったようです。
ここら辺の事情はあまり詳しいデータがないのですが、同時期に活動していたСребърните Гривни[Sreburnite Grivni]は71年までレコードをリリースしているところから、一番人気として悪目立ちしてしまったのかもしれませんね。

73年にKirilとPetarに2人新メンバーを加えて活動再開、当時の東欧のグループらしくプログレ/ハード化して行きました。
グループとしては73年以後が最盛期になるわけですが、ここではその原点を述べるにとどめておきます。





Shturciteが60年代に残した公式音源は、2枚のEPに収録された8曲と、70年代に入ってからリリースされたオムニバスに収録された1曲の9曲です。

1.Звън[Zvun]
2.Малкият Светъл Прозорец[Malkiyat Svetul Prozorets]
3.Веселина[Veselina]
4.Изпращане[Izprashtane](Balkanton BTM 5971)`68

5.Песен За Щурците[Pesen Za Shturtsite]
6.И Една Звезда[I Edna Zvezda]
7.Стар Албум[Star Album]
8.С китара По Света[S Kitara Po Sveta](同BTM 6182)`69

1~4が68年の1stEPの収録曲で、あてがわれたポップな曲を何とかビート感を出そうとした努力がうかがえます。
この中ではその努力が一番成功したと言えるポップビート3と、ラーガ的なギターでサイケ風にアレンジした4がいいかな。

5~8は69年の2ndEPの収録曲で、1stEPよりもグループの意向を取り入れた内容になっていると言えます。
70年代初頭のStonesの曲をポップに歌ったようなKirilのオリジナル曲のタイトルどおりのグループのテーマ5は、当時の彼らが本当にやりたかったことを一番具現化した曲だと思います。
6はあてがわれた曲ではあるものの、独得の憂いのあるなかなかいい曲で、Kirilのブリブリベースが重さを出しています。
7はKinksの「Picture Book」、8はCreamの「NSU」のカバーで、ほとんどストレートカバーではありますが、当時の彼らの指向性が見えて興味深いですね。

以上8曲は、下記の編集盤で聴くことができます。

a424.jpg

Антология част 1 (ブルガリア Varna Sound VS 010005)`04

字の雰囲気で何となく分かると思いますが、アンソロジーVol.1ですね。
彼らは活動期間が長いのでVol.4まであります。

音質・パッケージング共にあんまり期待していなかったのですが、予想以上に音質がよく、当時の写真を織り交ぜた詳細なライナー(あんまり読めないけど)が掲載されたブックレットと、チェコ盤に匹敵するクオリティーで驚いてしまいました。
僕は中古で入手したんですが、あんまり日本には入ってきていなさそうです(汗


そして、前述のとおり彼らはTV・ラジオ用にレコーディングされた音源を残していますが、そのほとんどは現在まで公式にリリースされていません。
60年代だけ以下に記しておきます。

`67
Песен без думи
Слънчево момиче
Просто така
Рано сутрин(Inst)
Изгревът и залезът(Inst)
Измислици *
`68
Двете битничета *
Обещай ми последния танц *
Празник на цветята *
Стоп-стоп *
Пролетна ваканция *
Тръгни на път
`69
Няма кой
Въртележка
Сенки *

この中で、公式にリリースされたのは68年のДвете Битничета(Dvete Bitnicheta)のみで、73年にリリースされたオムニバスLP「The Best Of The Beat Groups Of Sofia」(Balkanton BTA 1437)に収録されていますが、激烈にレア盤だそうで(笑

あと、*が付いた曲は、本国で出回っているらしいブートLPに収録されているようですが、詳細不明です。

68~69年にレコーディングされた曲はどれもイキが良くて、公式リリース曲よりもいい曲が多いので、きっちりまとめたCDをリリースして欲しいですね。






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コメント

ロシア本のコメントの方で読みましたが…なるほど、これがブルガリアのグループなんですね(笑) CDジャケットの最新テクノロジー感がこれまた…

Star AlbumがPicture Book…タイトルのセンスがセルロイド・ヒーローズの先を行ってますね。ヴィレッジ・グリーンを聴いてそういう名前をつけていたなら、相当な洞察力の持ち主なのかも(笑)

  • 2009/09/15(火) 03:06:53 |
  • URL |
  • いたち野郎 #ZpAXj7wg
  • [編集]

いたち‘エノ’野郎さん、こんにちわ(笑

旧ソ連のグループは実際に聴いたことがありませんが、2・3グループ聴いたブルガリアは旧ユーゴに近い素朴な感じです。
このCDは04年に出たものですが、ジャケはもっと素朴でよかったんですけどね(笑

旧ソ連のようにブルガリアにアンダーグラウンド・シーンがあったかは不明ですが、基本的には「バルカントン」と言う分かりやすい名前のレーベルから出ていたみたいです。
ジャケはソ連のものよりはマシかなと思います(笑

>Picture Book
「ソープ・オペラ」までは行かないんですね(笑
レイ先生のロンドンなまりのきつい歌詞を聞き取れなくて、やむなく独自の歌詞を作ったのかもしれません(笑

  • 2009/09/16(水) 11:59:42 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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