あるにもあらず 過ぐるわが身は

東欧・北欧・中近東など世界の60's Beat/Psych、その合間にコミックなどを紹介しています。 こっそりとやっていますので、こっそりとお越し下さいませ(笑 

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自由・平等・ロック  ティモシー・ライバック著 水上はる子訳 晶文社 93年


先日、いたち野郎さんのとこの「ゴルバチョフはロックがお好き?」の記事でのコメントで、クロムさんが紹介されていた本をすかさずゲットしました。

実はこの本、僕自身もずいぶん前から知っていたのですが、タイトルがあまりにもクサいのでいつも手に取ることさえしなかったもので、クロムさんのコメントを読んで「しまった、とりあえず手に取ってみればよかった」とうろたえました(笑

93年当時に読んでたら、かなり衝撃だっただろうなと思う、まさに革命的一冊(笑)だったことでしょう。
この本以後、日本で東欧のロックに関する本は出版されていないようですし、ネット時代の現在でも日本語でこれだけの情報は得られませんし、現在でも資料的価値の高い一冊です。

50年代~89年までの東欧でのロックについて述べられた内容で、この数ヶ月間ネットで調べまくってきた僕がうなってしまうような充実度の高さです。
ここ数ヶ月の東欧ものの記事、これがあったらもっと楽に書けたかも(笑
個人的に関心の強い「プラハの春」前後時代のチェコスロバキアのロックに関してを日本語で読めるのは本当にうれしいです。
しかし、89年の革命まで鎖国状態だったアルバニアを除いた7カ国の中で、なぜか旧ユーゴスラヴィアについてだけ取り上げられておらず、そこに強い不満を感じます。
91年くらいに書かれたもののようですから、ユーゴ紛争のごたごたで現地で調べることができなかったのかもしれませんが・・・。
あと、90年代当時は情報がなかったと思われるので仕方がないのかもしれませんが、以下のようにアーティストの名前の読み間違いが結構あるうえに言語表記が添えられておらず、資料として問題がある点です。

Illes(イレーシュ)→アイレース
Mefisto(メフィスト)→ネフィスト

Illesはともかく、Mefistoのほうは「M」を「N」と読み間違えたという、校正云々以前の初歩的ミスな上に原語表記がないので、知らない人はなかなか気がつかないのでまずいですよね。
たぶん再版されることはないでしょうが、もしその際には訂正して、できれば原語表記も添えて欲しいですね。
僕はたまたまSupraphonのサイトで目にしたことがあったので間違いが分かっただけです。

ただ、原著で間違いがあった部分を訂正して注釈をつけていたりするので、決していい加減な本ではなく、情報のない中でよく翻訳されたとは思います。

あまり具体的な感想を書くと長くなりすぎるので簡潔に行きますが、当時のロックには特別な「魔力」があって、鉄のカーテンにさえぎられた中で東欧において恐るべきパワーを持った事実に驚愕した「平和ボケ世代」の日本人ですた(笑

同時に思ったのが、ロックを最初に聴いていた世代がおじいさんになった現代では、もうロックの存在が普通になってしまって、当時のようなパワーを持ちえなくなってしまったんだなあ・・・と。
そしてそのパワーを持っていた時代のロックは博物館に収蔵されてこういう本で紹介されるようになった・・・か(笑

こういう本を読むといつも痛感してしまうのですが、その時代を経過して情報や知識では遥かに上回ると思われる後追いの僕らでも、当時の空気を吸いながらロックを聴いてきた人には全くかなわないんですよね。
そこだけは補完のしようがないうえに、後追いの僕らにとっての致命的な弱点です。

タイムマシンにおねがいって感じですね(笑

ともあれ、東欧ロックに関心のある方には是非読んでいただきたい一冊です。



この本について述べて下さったクロムさんに感謝しつつ。


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コメント

いやぁ、僕の方でエントリした本と同じ出版社ですね。タイトルは胡散臭くもあり、戦後東欧史からしてみればある意味では素直な言葉なんでしょうか。

売ってるの見つけたら僕も欲しいですね。とりあえずアマゾンから捜査を開始したいと思います。

  • 2009/10/16(金) 01:56:03 |
  • URL |
  • いたち野郎 #ZpAXj7wg
  • [編集]

>ある意味では~
そうですね。
東欧のロックに関するものだと最初から理解してれば間違いなく手に取ったはずですから(笑

最初に見たときはヒッピーとかそういう類の本かと思ってスルーしました(笑

>アマゾン
いや、「日本の古本屋」のサイトで検索した方が安い出物がありますよ。
今見たら一番安いのが1500円ですね。

  • 2009/10/16(金) 17:42:40 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]

こんばんは、お邪魔しま~す♪ 
秘密警察の手を逃れて、ようやく参上することができました(笑)。
記事中に名前まで出していただき恐縮です。こちらこそ、おそらく日本最強と思われる(笑)東欧仲間ができて、ワクワクしてます。
実は紹介しておきながら、私はまだこの本、最後まで読破できていなかったりします(汗)。文章が読みにくいので、結構体力いるものですから。(←言い訳)
本国の状況に忠実に東欧ロックについて述べてあるって点は、相当にポイント高いですよね~!マーキーには決してできない仕事です(笑)。
東欧ロックの聖地の1つ、旧ユーゴの話が出てこないのは私も残念でした。たぶんこの本は東欧ロックの紹介が目的ではなく、むしろ政治的な観点が重要なようなので、ワルシャワ条約機構加盟国に絞って書かれたのではないかというのが私の想像です。
各国の対応の違いは興味深く、特にハンガリーのベアトリーチェの潰し方なんかは、ずいぶんとズル賢くやり手でビックリ!さすがオメガを管理する一方で、外貨稼ぎに利用していた国だけありますね~(笑)。
アーティスト名の原語表記がないのは確かにキツイですね。私なんかは「シュータサイト」でさえ、同定するのに結構時間かかりましたよ~。ネフィストは誤記だったんですか~!箇所によってメフィスト、ネフィストと違った記載がなされていたので、もしや別バンド?!と悩んでいた私は一体・・・。チェストゥ・ニーメンってのも、アレは「t」の字じゃないのに~(笑)。きっとこの本読んで、アーティスト検索するネット時代が到来するとは予測していなかったのでしょうね。
「当時の空気を吸う」という体験の有無の重要性は、まさしくおっしゃる通りだと思います。ただ私の個人的な考えなのですが、東欧のロックには英米に比べて、「生きるため」という時代を超えた根源的で普遍的な要素が含まれているような気がしてならないのです。それこそが私が東欧ロックにリアルな共感を覚える理由なのかなぁ~と思ってます。いや、単に旧職場がまるで共産国のような体制だったという特殊な環境のせいかもしれませんけどね(笑)。

  • 2009/10/16(金) 23:09:43 |
  • URL |
  • クロム #ybSqUg1.
  • [編集]

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  • 2009/10/16(金) 23:16:55 |
  • |
  • #
  • [編集]

>クロムさん
秘密警察の手をかわし、よくぞお越しくださいました(笑
ただ、たどり着いたここの管理者は職場で「ゲシュタポ長官」と呼ばれている男ですので、良かったのか悪かったのか(笑

僕はあちこちで知り合った方のお名前を、その方の趣味に関連のある記事にシレッと出すことで悪名高いのです(笑

確かに、この本ちょっと読みにくいですよね。
僕もとりあえず60~70年代以外は結構飛ばし読みしてるだけです(笑
内容はなかなかのもので、もっと早く読んでたら、どんなに楽だったことかと思います(笑

>政治的観点
なるほど、ユーゴとアルバニアはワルシャワ条約機構から脱退していますからね。
でも、アルバニアはともかく、よりによって民族関係がややこしい上にかなりの数のグループがうごめいていたユーゴを外したのは非常に残念ですね。
そこら辺は著者が「センセイ」ゆえのスクエアさでしょうか?

>表記
これに関してだけ、先に読んでなくてよかったと思います。
ただでさえ非英語圏なのに、こんな直訳英語読みじゃあ判別しにくいですよね。
>ネット時代
当時も確認しようがなかったんでしょうね。
まともに確認とってたら時間がかかりすぎますし。

>生きるため
東欧のロックにある種の重みや暗さを感じるのは、やはり若者の怒りが平和な欧米や日本とは比べ物にならないくらい切実だったからなんだと思います。
67~69年のチェコスロバキアの音源のただならぬ熱気には、いつも圧倒されます。

>旧職場が~
コルホーズですか(笑
どちらにしても、堕落や腐敗が生まれそうな環境ですね(笑
うちの職場は第三帝国です(笑

さて、例の件でのちほどメールさせていただきますね。

期待を裏切らないロングコメントありがとうございました(笑

  • 2009/10/17(土) 14:26:11 |
  • URL |
  • Graham #rB4BsSMs
  • [編集]
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  • 日本語での情報の少ない、60年代の東欧・北欧・中近東などのBeat/Psychを中心に紹介しています。
    翻訳・編集に時間がかかるので更新は激烈にスローです(笑
    この自画像は、漫画友達の「ゆったりの間」管理人さん冬灯紗沙さんに描いて頂いたもので、さり気に対になっていたりします。

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